2026/07/30@新都心

監督 カリー・バーカー

愛は暴力?

★★★☆☆


好きなあの子を神頼みによって惚れさせてしまおうと企む童貞君が巻き込まれる悲劇をホラーにした映画。ライムスター宇多丸のムービーウォッチメン映画批評を聴いてからの鑑賞となったため、ここに記すものはほぼ受け売りになると思う。


折ると願いを一つ叶えてくれるというトイ「願いの柳」でニッキー(インディ・ナバエレッテ)を彼女にしたベア(マイケル・ジョンストン)は彼女の余りに積極的なアプローチに戸惑いを隠せず恐怖すら感じてしまうという身勝手さ、好きなんだからまるごと受け止めろよと思ってしまう私ではあるが、ベアは童貞なので、理想が先行して受け入れられないのだろう。ベアはニッキーを好きなのかさえ分からなくなる始末。しかし、ニッキーだって不思議な力で捻じ曲げられ感情を弄ばれているのに過ぎないので、本当の被害者はニッキーである。この話がニッキーの恋心から始まっていたら、ただの執着や束縛欲で絡めとられた男ということになるけど、己の想いだけで、彼女にしようとしたのだからの身から出た錆で、ギリギリ笑える?範囲である。にしてもニッキーの行動は異常だし、不気味で怖い。おしっこやうんこを漏らしたり、邪悪な力に取り憑かれているならば仕方ないけども…。


ラストシーンは圧巻。ベアが薬物自殺を図る、ニッキーは愛おし気に抱きしめるが、腕の中で果て、死を理解したニッキーは悲しみのあまり号泣、しかし、呪いが解けたニッキーは状況を理解し恐怖で震え、涙を流すのである。


製作費100万ドル未満の低予算映画として、今世紀最高の興行収入を達成。オープニング3日間で1700万ドル超を記録し、『MICHAEL/マイケル』『プラダを着た悪魔2』に次ぐ全米興行収入第3位の好スタート。2週目には『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』に次ぐ第2位へ浮上するという異例の大ヒットとなった。監督のバーカーはYouTube発のホラー/コメディで注目を集めた新世代クリエイターで、すでにブラムハウス製作『Anything But Ghosts』、A24による『悪魔のいけにえ』リブートへの参加も決定している。新世代の新たな潮流となるか、歴史の承認になれるのか…な。