2024/05/15@浦和

監督 山下智彦

勘五郎逃げまくる

★★★☆☆

 

時代劇をこうしてエッジが立った感じで作ってもらえば観に行きたくなるというもの。池波正太郎100周年とか…。藤枝梅安に続き、鬼平犯科帳、良き。

 

長谷川平蔵(松本幸四郎)のもとに、彼が若い頃に世話になった居酒屋の娘・おまさ(中村ゆり)が現れ、密偵になりたいと申し出る。平蔵にその願いを断られたおまさは、平蔵が芋酒屋主人と盗賊の2つの顔を持つ鷺原の九平(柄本明)を探していることを知り、独断で調査に乗り出すが……。平蔵を恨みにもつ網切の勘五郎(北村有起哉)が押し入り強盗を繰り返し平蔵の前に立ちはだかる。

 

松本幸四郎がカッコ良かったのは間違いないが、九平の柄本明は頑張り過ぎだぜ。走る、叫ぶ、なだめると大活躍。取締方の木村忠吾・浅利陽介もとぼけた演技が良かった。中村ゆりの艶っぽさ、志田未来の世捨て人ながら希望を探してる姿にも好感。何より悪党・勘五郎の北村有起哉がどこまでいってもクズっぷりが素晴らしい。死に様もサイコー。

 

内容は、若げの至りを偉くなってから平蔵が回収する話だが、おまさは完全に巻き込まれ。おまさも引き込み(所謂盗賊を招き入れる役)だった過去を悔いており、人生を平蔵に捧げる覚悟はあるのだが死ななくて良かった。

 

鬼平犯科帳初心者としては、これが鬼平だという王道ストーリーを観たかったのに、「藤枝梅安2」と似てる気がして残念だ。