2024/03/07@新都心

監督 成島出

不幸の連鎖断ち切れるのか

★★★☆☆

 

想像してた話と違い、不幸の連鎖がキツ過ぎてあんまり好きになれそうにない話だった。原作はもっと良い感じなのかなと思ったりして。

 

杉咲花の熱演は素晴らしい。近いうちに日本アカデミー主演賞を獲る日も近いと感じる。にしてもストーリーがねぇ。原作に忠実なのか、はたまた映像にすると残酷さが増すのか、不幸の連続で嫌気がした。特に岡田安吾(志尊淳)と新名主税(宮沢氷魚)とのやり取り、駆け引きは、演出も演技も、そのシーンが持つ意味も酷いと感じた。何故に貴瑚(杉咲花)をここまで追い詰めるのかと嫌になった。だからこそ、貴瑚がいとし(桑名桃李)をひきとり、家族なろうと決意するのだが…。

 

ずっと不安だった中で、倍賞美津子が出て来た時の安心感たるや言うに及ばず。また、ラストシークエンスの流し素麺パーティーが、冒頭で暴言を吐いたあの青年(役者名不詳)が楽しそうにしているシーンから始まるのは秀逸だ。彼の笑顔こそ、貴瑚といとしが村人たちに受け入れらたと説明するのに充分過ぎるからである。貴瑚もいとしも拠り所となる場所を見つけた、ハッピーエンドなのだと思わせる大事なワンカットであることを分かってもらいたいのです。