2024/02/20@新都心
監督 アリ・アスター
悪夢垂れ流し
★★☆☆☆
「ミッドサマー」で心を鷲掴みにされたアリ・アスター監督の最新作なのでお客様も盛況だったが、結論から言うと物足りない。絵力はある、インパクトもあるのにストーリーが飲み込めない。
父親の命日に呼び出されたボー(ホアキン・フェニックス)が寝坊し鍵を失くしたことで飛行機に乗り遅れ、母親は失望する。ところがその母親が非業の死をとげる。訃報を聞き、母の葬儀をすべく実家へ急ぐボーだったが、その道すがら困難が待ち受けていた。何とかたどり着くことができたのだが、母親は生きていて期待に答えられないボーは叱責される...。
一つひとつのエピソードが繋がってそうで繋がってない。思いついた悪夢をやってみました的な感じで、三谷幸喜の「ギャラクシー街道」を思い出した。あれもショートコントのつるへ打ちだった。前半はシュール過ぎて爆笑。内容的には深みのない物語なので、面白かった登場人物ベスト5をあげる。
5位、絶頂の果てに腹上死した幼馴染の女。ボーと再会してよっぽど嬉しかったのか、ボーにまたがりご機嫌セックス。目は血走り息絶えた。
4位、街に転がっていた死体。ボーが住むのはサイケデリックに危険な街、そこに何の前触れもなく死体が転がっている…。最後は救急車に頭を踏みつぶされる。
3位、ペンキを飲み干し死んだティーンエイジャー。ボーに部屋を貸した女子高生。親がいないのをいいことにボーに大麻を吸わせたり、部屋をどピンクに塗れと要求、自分はパステルブルーのペンキを飲み干し死亡。
2位、全裸の通り魔。ボーの住む街に現れた全裸のジジイは刃物を振りかざして襲いかかる。ボーはメッタ刺しにされた。
ここで番外、ボーを見つけた途端に猛ダッシュしてくる全身入れ墨男と金払えと迫るコンビニ店長。
1位、風呂場の天井に張り付いていた男。ボーがバスダブでのんびりお湯に浸かっていると、天井からポタポタ滴るものが…。天井を見上げると人の良さそうなちょっと小太りの男が張り付いていて落ちないように踏ん張って汗ダラダラ。顔に張り付くクモに耐えられず落下。ボーと男がバスタブの中でグルングルンとくんずほつれず、何故か離れられない。全裸のボーと男の服も脱げそうになって、爆笑。