2024/01/30@新都心
原案・監督・脚本 内田英治
脚本が圧倒的にダメ
★★★★☆
役者陣、映像はとても満足できるのに、ストーリーを考えるほどに違う感が漂う。
事故で視力を失った美夏(浜辺美波)と喉を刺され言葉を失った蒼(山田亮介)の設定はバツグンに良いと思う。関係を築く過程も微笑ましく観られた。後半から展開が怪しくなっていく。観客としては美夏に聖人全となる事を求めてしまう。なんで自分がやったと名乗り出ないのか。もっと言えば北村(野村周平)が告訴を取り下げれば禁固刑にはならないのでは、と思ってしまう。途中の盗撮事件は蛇足だし、その顛末も余計。だからラストシーンにのめり込めない、とても残念。ではどうすればよかったかと言われると対案はでないけども。
全体を通して漂う危うい雰囲気とか、映像のスリリングさとか好きだ。特に交差点で迷う美夏を鈴で誘導する蒼のシーンは息を呑む美しさがある。美夏や蒼の表情を捉えた時の美しさは切なくなる。話ど返しして、優しい気持ちで主演二人を見守ることが出来ればとても良い映画だと思います。