2023/07/07@新都心

監督 山下敦弘

改悪と言わざるを得ない

☆☆☆☆

 

ちょっと話題になった台湾映画「1秒先の彼女」ですが、個人的にはあまり響かなかったので脚本・宮藤官九郎に期待していた。男女を入れ替え、邦画として作り直すのだから大胆な改変があると思っていたが。(驚いたのは今年亡くなった笑福亭笑瓶さんがしっかり出演されていたこと。これが遺作になるらしい。)

 

テンポが悪くて退屈。ハジメ役の岡田将生がハマらなかった。1秒先に行ってる感じが全くなかった。

 

期待していた麗華(清原果耶)も不発。1秒遅いのと、おっとりしてるのは意味が違うのだが。こんなにつまらない清原果耶は初めてだ。

 

ハジメを騙す女のキャラが小物。デビューが決まっているシンガーが、伝説を作るために路上ライブをやる。性格が悪くてファンになった男から金品巻き上げるって、存在に整合性がない様に思う。麗華がトラックに轢かれるくだりも良くわからなくて、なんの意味があったのか。

 

何より1秒早いハジメだけが「1日」を失ったはずなのに、世界の全員が止まったままだと全ての人が1日失っていることになりはしないか。となるとハジメの同僚だけ月曜日に郵便局で働くことはできないのでは…。

 

とまあ、矛盾を叩いてもあまり意味ないのだけど、山下敦弘監督、クドカン脚本、岡田・清原W主演なのに面白味に欠けるのはあまりにも悲しい。ワンダーもエンターテイメントも無いのだから仕方ない。