2019/03/08@浦和

監督 山本透
まじめなラブストーリー
悪くはない。平野(高橋一生)と志織(川口春奈)の距離をつめたのがタイムリープという禁じ手を使っているが、お互いを意識する過程を丁寧にみせてくれたし、恋が始まった瞬間をシャボン玉で表現しているのも好感度が高い。シラノという架空の人物について二人で想像するストーリーは「ゴトーを待ちながら」っぽいし、シラノという名前はシラノドベルジュラックからの着想で平野に被る、フランス文学に精通した原作か、平野と志織もファショナブルだ。
 
素直な優しい女性を川口春奈が好演。一皮剥けたかなと思わせた。少し発声法を変えたのか声が明るくなったし、素の彼女に近い役だったのか動きの軽やかさがあった。そして、素朴で穏やかな男性を高橋一生が真正面から演じた。みんなが観たい高橋一生はこれだろう。「嘘を愛する女」のリベンジ、不器用な感じがとても良いのである。
 
脇役のミッキー・カーチェスは助言を与える重要な役として存在感あったし、やっぱり凄いのは川栄李奈で、画面にいるだけで場の雰囲気とリズムを作る。話には全く絡まない役なのに印象深い。
 
だが、評価が上がらないのは、結末のつけ方。運命の人は僕で、そうなるように頑張った、みたいな告白するやり方では物足りない。茅ヶ崎だから浜辺ってのも安易だし、寒そう。大事なシーンで志織が自分の髪の毛食べちゃてますからね、風が強すぎて。(個人的には髪の毛食べちゃう女子は好きです)浜辺には二人の思い出は全くないのにここで出会うのはあり得ないでしょう。後出しジャンケンのような、取ってつけたような、ハッピーエンドに拍子抜けでした。
 
高橋一生と川口春奈、二人のファンは絶対に見るべき。悪くはない、山本透監督は筋が良さそうである。