去年のクリスマス明け、用事があって他県のホテルに息子と宿泊してました。

朝、テレビをつけると、普段は見ない民放のワイドショーがうつりました。

コンビニのクリスマスケーキ、売れ残ったら、店長さんが自腹で買い取る、という話題でした。
正確に覚えてないのですが、20~30個買い取る、と言っていたようにおぼえています。

次は、恵方巻のノルマが本社から言われていて、200本だか300本だか・・・

息子が、町中コンビニだらけなのに、そんなに売れるのか、そもそも、その数を売るという販売計画自体がおかしいだろう、というようなことを言って、憤慨していました。

コンビニは、昔の、総菜や果物や、お菓子や何かなんでも一通り置いている、雑貨屋さんです。

雑貨屋のおじさんおばさんが、節分に巻きずしを売ろう、と考えた時、自分の店で売れる数は分かっています。
同じ町内とか、近所の工場の工員さん何人とか・・・。

いつもなら、一家族に一本のところが、節分は家族全員ぶんだから、いつもより○○本多く買っていくだろろうから、全部で□○本用意して商売すれば、損が出てもまあ大丈夫、とかいう風に考えるんじゃあないだろうか。

大きな損失を出したら、店が立ち行かなくなってしまうから、真剣です。

そういうのが、商売の計画だと思う。

コンビニの恵方巻は、残ったらまた、店長(店員さん)が自腹で買い取るのことになっている、それを見越してたてられた販売計画ということです。

弱い立場の人に強い立場の人が、無理強いをしている構図だなぁと思いながら、テレビをみていました。
そういう、やり方でお金儲けをすることが、業界が是としていることなのかな。

そういうやり方で、いっぱい儲けたよ、と本社の責任ある地位の人たちは、自分の子どもや孫に話して聞かせることができるのかなぁ。

なんだか、いやぁーな気分でテレビの前にすわって、朝ごはんのパンを二人で食べました。



今日、買い物に行きました。

小雨の中、傘をさして歩いていたら、後ろから、小学校高学年くらいの女の子が二人自転車で追い越していきました。

「恵方巻、去年食べた?」
「うん、○○寿司(ここら近辺の、お手頃価格のお寿司を売ってるチェーン店)のを食べたよ」

楽しそうな声でした。

私が小さなころは、恵方巻を食べる風習なんてなかったです。
でも、今はすっかり定着しているんだなぁ。

子どもも楽しみにしている。

我が家は、特に節分に食べるということはないのです。
息子が、巻きずしを食べることが出来ないので、親も食べません。

ただ、恵方巻についた、嫌な、悲しい、憤りすら感じる思いは、彼女たちのうれしそうな声で、少し緩和されました。

わたしたちが、社会でかかわる人は、皆、誰かの親で、誰かの子のはず。
目の前の人は、誰かの大切な人だ、という視点を時には持ってみると、もう少し、息がしやすい世の中になるんじゃないかなぁ。

お金や、権力のある人は、なかなかそういう視点は、持てないのかな。

市井の人間は、持てるといい。
いい世の中に、自分も、自分の子どもも暮らせるといい。