ムーミンのキャラクターグッズってたくさんありますね。
スーパーの文具売り場に行ったら、ミィの絵が表紙の家計簿がありました。
なかなかの迫力でした。
私は、キャラクターグッズは、ウインドウショッピングで楽しむ派で、自宅には入れないように心がけています。
時々、うっかりと家に迎え入れてしまうことがあります。
息子関連の物ですが。
冬になると、絶対に読み返す本が二冊あります。(いや、春にも夏にも読みましたけど)
『ムーミン谷の冬』と『ムーミン谷の十一月』です。
講談社文庫を持っています。カバーの絵がヤンソンが描いたものです。
アニメと違って、かわいくないところが好み。
ムーミンは北にすんでいます。
ヤンソンはスウェーデンの人ですから、スウェーデンのどこかかな?
日本の冬は、雪の積もるところ、積もらないところ、ありますが、日の出の時間は遅くなりはしても、明るい昼間が訪れます。
でも、きっとムーミン住んでいる地方の冬は、昼間があってもすごく短いのです。ちょっとの間。
実体験の少ない私には、肌感覚をもっての想像は出来ないのですが、ムーミンの住んでいるところの冬は、美しいかもしれないけど、厳しく寒く、重苦しい感じのするものなのではないかしら。
春が待ち遠しいだろうなぁ。
『ムーミン谷の冬』は、ムーミンが冬眠中になぜか目が覚めてしまって、冬を体験するのです。
ムーミンが生き生きと描かれています。
『ムーミン谷の十一月』には、ムーミンやムーミン一家は出てきません。
ムーミンたちのいないムーミン谷とムーミンの家と、ムーミンたちの周辺の登場人物たちのお話です。
『十一月』は、よく哲学的、と表現されています。
童話ですが、より文学的に感じます。
どちらの作品も大好きです。
ヤンソンは、心にぐっとくる言葉をたくさん書いているのです。
読むたびに、それはかわるけれども。
「この世界には、夏や秋やはるには暮らす場所をもたないも
のが、いろいろといるのよ。
みんな、とっても内気で、すこしかわりものなの。
ある種の夜のけものとか、他の人たちとはうまくつきあって
いけない人とか、だれもそんなものがいるなんて、おもいも
しない生きものとかね。
その人たちは、一年じゅう、どこかにこっそりとかくれている
の。
そうして、あたりがひっそりとして、なにもかもが雪にうずま
り、夜が長くなって、たいていのものが冬のねむりにおちた
ときになると、やっとでてくるのよ」
これは、おしゃまさんという登場人物の言葉です。
そっけなくて、やさしい。
紋切り型にいいなおすと、少数派とか社会的弱者とかと、いいなおせるかなぁ。
おしゃまさんは、そういう「内気」だったり、「すこしかわりもの」に対して、どうこう言ってなくて、「そういう存在が確かにこの世界にはいるの」と「居る事」をただ受け止めているように、私は感じる。
批評なんかしない。
そこに、相手を尊重する、という、ある生き方を教えられたのです。