こんな時期に、台風・・・となんだか落ち着かない気分になりました。
先月の、台風。
嵐の後、私の住んでいる地方でもやっと残暑が終わり、秋が来ました。
秋を連れてきた、嵐でした。
今は、初冬。
私のプランターメダカ池も、寒さ対策をしなくては、と思っているところです。
でも、まだまだ、メダカは、平常通りの日常をおくっています。
土着の生き物を飼うのが好きな理由は、ここです。
命をつなぐために、環境を人工的に整える必要がない点。
気楽だし、ともに生活をしている、という実感、これが好きです。
我が家には、亀達もいます。
ありきたりな、クサガメです。
やはり、特別な環境整備がいらないので、飼育が楽です。
飼育が楽だと、関係が、ともに暮らしている、という感じになりやすいです。
奴らは、冬の間は、よくお座敷亀となって、ファンヒーターの前に息子と一緒に転がっています。
息子にくっついている姿は、まるで猫の子のようです。
亀と生活するのは、意外と楽しいものです。
10月23日の台風21号は、とても怖かったです。
集合住宅に住んでいますが、お隣の一軒家と近いせいか風の当たりがあまり気になりません。
窓の構造のせいもあるのか、部屋の向きのせいか、風音も聞こえません。
ところが、21号は、風の唸る音が大きく聞こえました。
息子も、「すごい風だね」と言って窓のカーテンの隙間から外をのぞいていました。
こんな日、川の中で魚はどうしているのだろう、鳥はどうやってしのぐのだろう、と気になります。
夜に、玄関そばで、外の通路を何かが転がっていく大きな音を聞きました。
通路にエアコンの室外機を設置していますが、それから出る水を受けるためにバケツを置いています。
バケツが転がっているのでは、と思って、「しまった、しまい忘れた」と焦りました。
飛ばされて駐車場の自動車に当たったら困るな、とも思い、ドアを少し開けてのぞきました。
我が家のバケツは、室外機にぴったりくっついてそこにありました。
何がころがったの? と気になり周囲を見回すと、背の高いオリーブの木の鉢植えが転がっていました。
うちのじゃないので、そっとドアを閉めました。
夜中、風の音も気になりましたが、用水路の水の量も気になりました。
水路側の部屋に行き、窓を少しあけて外をのぞきました。
水路の向こうの林の木々が大きく揺れていました。
水路は黒々と沈んでいて、水の量なんて見えません。あふれてないから、排水ポンプがどんどん回っているんだろう…。
街灯の白い明りで、木々の葉が、いくつも散って風にとばされて行くのがみえました。
空気は大荒れなのに、木や草の、濃厚な匂いが夜の中に息苦しく充満していました。
そんな密な匂いを嗅いだのは、初めての経験でした。
嵐の匂いだと思いました。
今も、思い出せます。
翌朝、仕事に向かうために林の近くを通りました。
杉や、ヒノキや、たくさんの木の枝が、大きいのや、小さいのや、太いのや、細いのが、たくさん折れて、ちぎれて、引き裂かれて、地面に落ちていました。
雨で、湿っていました。
私は、ちょっとの間、嵐の匂いを見つめました。