ラジオなどで、朗読の番組がありますが、聞いたことがありません。
読書は、黙読というスタイルです。
目で文字を追っていくと、頭の中で文章が音となります。
文章が、音となるとき、力強かったり、やさしかったり、ひびいたり、つぶやいたり、涙声だったり、微笑んだりします。
いろどり豊かな、様々な響きや、声がきこえてきます。
手触りや、色や形なども、時に頭の中で感じる気がします。
よく、Amazonで古書を買います。
ふと、出来心で、Audible(オーディブル)を試してみようと思い立ちました。
Audibleというのは、本を朗読した商品です。
Amazonのプライム会員になっているので、3か月無料でお試し出来るのです。
忙しいビジネスマン、ビジネスウーマンは通勤の電車やバスや自動車の中で、スキルアップのために本を聞くのだとか。
すきま時間の、有効な活用ですね。
私は、田舎暮らしの主婦なので、ちょっと気恥しい。
でも、Audibleをためしてみました。
ダン・ブラウンの『インフェルノ』を手始めに。
ダン・ブラウンはトム・ハンクス主演で映画化された、『ダ・ヴィン・チコード』の原作者。
映像化されていない作品を選びました。
新書や、評論なども選べたのですが、はたして耳で聞いただけで理解できるのか、自信がもてません。
でも、小説なら、きっと大丈夫。
聞いてみて、その楽しさにはまってしまいました。
ポケットにipodを突っ込んで聞きながら、家事をしました。
(スマホを持っていなくて、ipod愛用者なのです)
洗濯機の前で・・・
ベランダで洗濯物を干しながら・・・
台所で調理しながら・・・
掃除機をかけながら、雑巾がけしながら・・・
息子を学校に送迎する車を運転しながら・・・
私の頭の中で、トム・ハンクス演じるラングドン教授が、生き生きと活躍しています。
原作なので、上映時間に縛られることがなく、一行のはしょりもありません。
とてもわくわくした時間を、数日すごしました。
上・中・下巻の三冊分、1冊約7時間半強の朗読時間ですから、3冊で22時間半くらい。
細切れに聞いて、何日も楽しみました。
聞き終わって、、ダン・ブラウンのその他の作品を、つぎつぎと聞いています。
朗読は、より映像化された空想の世界で、私をあそばせます。
自分で、自分の聞きたい文章を朗読して、聞いたらどんな感じだろう、と思いました。
この年で、音読、しかも自分のために・・・
滑稽かな。
ちょっと、照れくさくて、自宅に独りぼっちのときに、iPodのボイスメモに向かって朗読し、イヤホンをつけて聞きました。
朗読が下手なのには、目をつぶりましょう。
イヤホンから流れてくる文章は、読んだときと違う世界、違う理解にいざないます。
不思議な読書体験でした。
今、夏休みで、なかなか家で独りぼっちになれません。
息子が塾に行ったすきに、こっそりとボイスメモにむかって、好きな本を開いて音読します。
新学期が始まったら、My Audible 作りにも時間をかけることが出来るでしょう。
楽しみです。