「太陽の欠片」
どんなときも、あなたを愛してる。
あなたを、愛してる。
『どうして、歩き続けるの?』
そんなに、辛いのに。
泣きながら、歩いて行くあなたに。
『それでも、歩き続けるの?』
引き寄せた手は。
凍えそうで。
僕に出来ることのすべては。
せめて、明日が晴れるように。
その道が、少しでも。
光が、あるように。
あなたを、愛してる。
どんなときも、あなたを愛してる。
僕は、太陽になりたかった。
・・
その手は。
少しでも、温めることが出来ただろうか。
遠い空で、あなたを見つめた。
涙をためた瞳に。
光は届いているだろうか。
あなたから、遠く離れて。
1億5千万キロの遥か遠くで。
あなたを、愛してる。
太陽になった僕は、今日もあなたを照らし続ける。
その手が、涙で汚れないように。
その手が、少しでも。幸せになるように。
季節のなかで、あなたを愛して。
春の日も、夏の日も。
それでも、冬の風があなたを。
あなたを悲しくさせる。
どんなときも、あなたを愛しているのに。
冬の風に遮られて。
遠い空から、あなたを見つめている。
この光が、届くように。
あなたを、少しでも温めたくて。
それでも、冬の風があなたを。
あなたを、凍らせて。
涙が止まらない時には。
駆け出して、あなたの傍にいたいけれど。
僕に出来ることのすべては。
せめて、明日が晴れるように。
その道が、少しでも。
光が、あるように。
「こんなに愛しているのに。」
遠い空。
届くだろうか。
1億5千万キロの距離を超えて。
・・・
春の陽射しが、あなたに降り注いだら。
少し、上を向いて。
ほら、太陽が見つめている。
この先も、ずっと。
ずっと。
白鳥 海
太陽の欠片が、あなたの手にこぼれたら。
それでいい。
それだけでいい。
「それでいい。」