「君を探している」
少し離れて、微笑んでいたんだ。
穏やかな陽射しだね。
・・そして僕は泣きだした。
失うことが何よりも恐かった。
・・・
失うことを恐れ身にまとったものは。
微笑みとか、優しさとか。逃げることとか。
僕はもう。僕がわからなくなっている。
ねぇ、僕の声はどんな声をしているのだろう?
ねぇ、僕の手は君の体温と違うのかな?
ねぇ、僕は。
君の名を叫んだ。
白鳥 海
本当の僕の声はどんな声をしているのだろう。
どんな風に、聞こえるの?
自分を裏切るのは、もうやめよう。
ありのままを受け入れてくれる君が。
そんな君がどこかにいるのなら。
「ねぇ、僕の指は君を探している。」