「空」
ぼくの空は四角かった。
でも、本当はどんな形をしているの。
その扉の向こうには何があるのだろう。
絶望という部屋。手の届かない窓。
ぼくの空は四角かった。
ずっと前から。
切り取った空をいつも胸に抱いていた。
それは風もない空だった。
ぼくは風を描いてみたり。
鳥を描いてみたり。
でも四角い空にそれは窮屈そうにいる。
だから切り取って放してあげた。
そう。夢を描くには小さな窓だった。
切り取った穴だらけの空。
「ねぇ、本当の空はどんな形をしているの?」
・・・
ぼくの空は四角かった。
今も昔も。
ずっと前から。
四角い空にそれは窮屈そうにいる。
だから切り取って放してあげた。
白鳥 海