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      season4

    episode22

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あぁぁぁぁぁ下手くそ‼️


向いてない。

元々器用じゃないんだし

何をやっているんだか。


田貫登真斗から

"爆睡してた 笑"

というメッセージにぬくぬくと

御家族と暮らしている姿が浮かび

イライラした。


イライラして

仕事がはかどらない。

いや、

はかどらないのを

登真斗のせいにしただけだ。


野根澄しそ美はひたすら

イベントの準備をしていた。

日曜日なんてもう何年も

日曜日らしく

過ごしたことが無い。

遊びにも行かず

のんびりもせず、

"今は頑張りどき🔥"という根性で

ひたすらやるべき事に

向き合っている。


(……くっそー、、、)


絡まった糸がほどけては

また絡まるような、

そんな繰り返しの作業に

丸1日向き合った。


せっかく部活が休みの子供と

どこかに出かけたり

何かご飯を一緒に作ったりも無く

部屋にこもって1人

作業する自分に泣きたくなった。


"頑張ってるか?"

"俺は2度寝中"


脳天気なメッセージに

イライラする。

(そのまま穏やかに御家族と暮らしてくださーい)

家庭持ちの登真斗とは

違う世界を生きている気がして

拒絶感が出た。

"ゆっくりしてね"

無表情でそれだけ返信した。


(何がツインレイだよ知らない)

(どーでもいいや!)


シングル2年目、

しそ美は何とかして

軌道に乗せたかった。

でも上手くいかなかった。

1日やっても何も進まなかった。

なんで自分はいつも

苦しい道ばかり

孤独の道ばかり1人で進むんだと

涙がでた。


したくてした離婚なのに

自分で選んだこの道なのに

ものすごい不幸に感じて

ひとりぼっちに感じて

胸が苦しくなった。


「ここで一旦やめよう‼️」


子供を連れて

ハンバーガーを買いに

ドライブスルーに行く。

行き帰りの車内で

学校の話や彼氏の話を聞いて

少し笑った。


長い間カードの期限が 

切れているのも知らず

「ママ!今度はコストコ行こうよ🎵」

という子供の無邪気さに

「うん!行こ!」と

うなずきながら

(絶対成功する。)

(絶対好きな物買ったる!)と

心の中で強く思った。


帰宅して視点が変わったのか

落ち着いて作業が進み

なんとか形になった。

なったと同時に

次のヒラメキがきた‼️


(わあ✨️いいじゃん)

よし、これで行こう。

ワクワクする。早くやりたい‼️


そう、

ワクワクしなきゃだめなんだよ。

心躍らせながら軽やかに、

あんなふうに息巻いて

男性性丸出しじゃだめなんだって!


今日の作業の意味はあった。

次の景色が見えたんだ。

失敗じゃない。元気出そう!


落ちた自分を

自ら上げることができて

しそ美は嬉しかった。

登真斗がああだ、とか

登真斗がどうだ、なんて

考えている暇はないんじゃない?

自分の事に、集中しよう。


我が子の母はわたしだ。

自分の人生を創るのも

わたししかいないんだ。


この仕事はやるべき事じゃない。

やりたい事だ。好きな事だ。

これが幸せなんだよ。


1人心の中で

上がって下がって、上がって

忙しい。

だけど、自分の機嫌はもう

自分でとれるようになった!

自身の成長に

喜びを感じた日曜日の

野根澄しそ美であった。*∅


2024.4.8

道照月子

~season4episode23に続く~