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     season3

    episode29

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産土神社に

"お取次ぎありがとうございます"

"行ってまいります"と

先に参拝した。


とうとうこの日が来た。

野根澄しそ美は感無量である。


前日の夜中まで

これでもかと、闇堕ちした。

わかってた、

でも堕ちようと思ったんだ。

中途半端に落ちるなら

とことんまで堕ちようと思った。


自分を責めたり反省して

これでもかと自分を

闇に落とした。

けれども涙は出なかった。


朝になり

我が子を送り出し、

洗濯を部屋干ししてから

淡々と

産土様へと迎った。


荷物は山盛りだ。

何もかも持っていきたくて

副業の材料から作品まですべて

みんな車に積んだ。

ダッシュボードには

あの石も、

おトリおばあちゃんの写真も

森の精霊様の絵も置いて

一緒に向かった。


渋滞も無く着いた神社は

とてもこじんまりとしていて

参拝者も少なく

瀬織津姫様にゆっくりと

手を合わせることが出来た。


こんな日が来るなんて…と

感無量だった。


石は手水舎の水で浄化した。

精霊様の絵は近くの草の上に置いて

森のパワーを感じてもらった。

おトリおばあちゃんの写真も

神社の前で共に手を合わせた。

みんなそれぞれが

喜んでくれた気がした。

連れてきてくれてありがとうと

言ってくれた気がした。


行く途中は龍神様の

歓迎の雨が降り

着いてからは晴れて

" よく来たね "

" 取り次ぎ承っていたよ "と

産土神社からの連絡が

ちゃんと行き届いていた気がして

それにも安心して嬉しかった。


気づけば何となく

今日という日がうまく回って

心だけが晴れ晴れしい。


疲れた。もう寝よう。

お風呂にゆっくり使って

眠ろう。

無になって、眠ろう。


野根澄しそ美の宇宙元旦は

無事にスタートした。

新しい章は無事にスタートした。


宇宙様と、産土様と、

祖先神様と、

そして瀬織津姫様が

見守ってくださる

エネルギーを受けて、


また1歩明日へと

淡々と心を無にして

力強く踏み出す

しそ美であった。


未来のことなんて

何もわからない。

だけど、

生きてみよう

自分の思うままに。


野根澄しそ美の2024の春は

粛々とスタートした。*∅


~season3episode29[完]~


2024.3.20

道照月子

#ツインレイストーリー#大人の童話

~season4 episode1に続く~