‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦

      season3

     episode27

‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦


自分の今までがみんな

間違っていた気がして

呆然とした野根澄しそ美。


宇宙を頼りに

我武者羅に生きて来た日々は

何層にも重ねられ

切磋琢磨した日々だった。


春分にむけて始動すること

これにむかって

いつの日からか

走り続けてたことが、

無我夢中で前に進んできたことが

みんな迷走だったのかと

頭が真っ白になった。


真っ白になって、

透明になった。

無になったのだ。


無の状態で

(…とりあえず部屋を片付けよう)

そんな風に思った。


心が掻き乱されたり

揺れる時は

感情のスイッチをオフにし

無になる、という技法を

この数年で学んだ。


しそ美は

宇宙との二人三脚で培った技で

これらの感情を無にした。


たとえこれまでの自分が

間違っていようが

それならそれで

仕方は無いからだ。


物が食べられなくなったり

眠れなくなったり

涙が止まらなくなったりした

サイレント初期の廃人のようには

なる気はしなかった。


無になって

部屋を片付けた。


ぐちゃぐちゃの部屋は

しそ美の切磋琢磨

そのものだった。


まるで自分の

死骸を片付けるかのように

落ちた破片をゴミ袋に入れた。

製作の破片は

どれも自分の切磋琢磨だった。

「こんなに頑張ってきたんだね」

しそ美は声に出して呟く。


懐かしき破片や

最近の破片まで

しそ美の頑張りが散りばめられて

これまでの試行錯誤と

切磋琢磨を称えた。


「よく、頑張ってきたね!」

まるで我が子の活躍を

見返すように

他人事のような気持ちで

部屋を片付けた。


そしてそれは

あっという間に終わった。


それから凝りもせず

"次はこれをやりたい"と

湧き出す副業への情熱に

(あぁ、私はこれが好きなんだ)と

自分を理解した。


我が子に美味しいものを

食べさせたい、

我が子に必要な物を買ってあげたい

だから副業を

頑張っただけじゃなく

だから稼ぎたかっただけじゃなく

お金が欲しかっただけじゃなく、


この製作が好きで

この仕事を一生の

ライフワークにしたくて

自分のライトワークにしたくて

そんな気持ちで頑張ったんだ。


普通にパートを

もう1つやれば

もっと稼げたんじゃないか、

なんて、


春分を前に

お財布の中身がカラになろうと

それを思ったって

仕方が無いんだ。。。


シングルマザーを今年

3年目となる自分は、


知らずにのしかかっていた

責任やプレッシャー

そして不安をみんな

感じないようにして

前へ前へと進んできた事に

気がついた。


ほんとは震える思い

だったのかも知れない。

だけど宇宙様が

祖先神様が

目に見えない精霊様が

瀬織津姫様が

見守ってくださるのを感じて

ここまで来れたんだ。


ゼロでは無いよ。

しそ美。


これは 

春分の前夜のことである。*∅


2024.3.19

道照月子

#ツインレイストーリー#大人の童話

~season3episode28に続く~