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      season3

     episode18

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彼の名前を心の中で叫んだ。


田貫登真斗の存在が

ここに来ていきなり

大きくなり

驚いている野根澄しそ美だ。


現実は一切変わらず

なんの進展も音沙汰もなく

ここ最近は登真斗を求めてすら

いなかったはずなのに

何なんだろうか?

不思議でしかない。


いよいよ近づく春分を前に

しそ美はまだ

出来上がってもいないビジョンに

無表情でいた。


あと10日だというのに

新プロジェクトは未完成のままだ。

(…こんなんでいいのかい…)

と呆れながらも

(いや、宇宙のGo!が来ればあっという間に進むんだ)

と不安を手放し

流れに任せている。


案の定

いきなり来る

インスピレーションに

今日は、

数時間で数日分の仕事が進み

そしてまた止まった。


しそ美はもう

宇宙からの司令に従い

悪あがきをやめたのだ。


無理に進めてもそれはまた

白紙に戻ると学び

宇宙様の魂胆はお見通しにて

もうサレンダーだ。

お任せをしている。


仕事が山積みでも

身体を休めるために

眠れる時はゆっくり寝て

夢のお告げをもらっては

メモをして、


インスピレーションが下りると

その夢の答え合わせのように

走り出しては駒を進める。


この数日は1111をやたらもらい

7777もやたらもらい

(…何かがあるな…)と

ワクワクしながら

慌てなくなった。


副業はそんなスローペースでの

取り組みだが

ここに来て

パートの所属が変わり

またその頑張りが認められて

社長から褒められる、という、

思いがけないところでの

ラッキーも来ている。


嫌だった仕事のポジションが変わり

嫌だった上司ともサヨナラとなり

何だかとても

生きやすくなっている。


人間関係の断捨離だろうか、

結局、

歩み寄ったあの妹とも決裂し

やるだけはやった!と

カルマの解消作業は

一旦これで区切りをつけた。


波長の合わない人、

歩調の合わない人と

無理に我慢して

歩まなくても良いという現実に

どんどんなっている。


こんなふうに

しそ美の心に寄り添って

正直に

生きられるようになったのは

もしかすると

登真斗にNO‼️が言えた

あの時からかもしれない。


結局は誰にも

わかって貰えないけれど

こんな現実になってきて

誰かに話せばきっと

偶然だよとか

凄いねだとか

何を言われてもきっと

孤独を感じるだろうから

これらの不思議はみんな

人には話せていない。


しそ美はそれをあきらめながらも

1人で

受け止めている。


……登真斗。

登真斗に逢いたい…。


登真斗ならわかってくれる、

なんて、

思ってなんかいない。

だけど何故なの?

無性に登真斗の声が聞きたくて

登真斗の匂いが嗅ぎたくて

登真斗の目が見たい。


今夜も夢で逢いたいと

しそ美は思っている。

登真斗の夢にも

登場しているだろう自分を思うと

少し笑える。

きっと夢にみているはずだ。

登真斗はきっと

夢で しそ美を見ている。


何故だかわからないが

無性に登真斗を欲しているのは

これから来る春分の

大きく変わる人生の変化に

武者震いをしているからだろうか。

不安なのだろうか。


けれどもきっと

今より大きな変化とラッキーが

訪れる予感がしている。


それだけの努力も、

しているのだ。


野根澄しそ美は

覚悟と決意を持って

これから春分を迎える。


生半可じゃない心持ちで

前に進む覚悟だ。

他人の歩調とズレても関係ない。

他人のジャッジも関係ない。

しそ美の思う最高を

そんな春分のプロジェクトへと

邁進するのみだ。


登真斗……。

夢でいいから逢いたい。

手を繋いで欲しい。

夢の中でいいから。


しそ美は登真斗を

心で呼んだ。*∅


2024.3.10.魚座新月

道照月子

#ツインレイストーリー#大人の童話

~season3episode19に続く~