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episode31
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もう１週間前になる
7月31日は
野根澄しそ美にとっては
夢のような日になったのに
結構意外と冷静だった
"今夜もし逢えたら"という
田貫登真斗のメッセージに
少し間を開けて
落ちついてから
"わかった"と返した
何となく
そろそろ逢えるような気がしていた
そして何となく
安心もしていた
逢ってすぐに
ダンボールの山のように積んだ
しそ美の商品を登真斗に見せた
"これはこうゆう物"
"これはこんな物"と
しそ美の副業の商品を見せた
そのたびに登真斗は
"ええやん！"
"これも変わっとるなあ"と
しそ美の独特のセンスの
作品を見ては笑いながら
褒めてくれた
そしてサラッと渡した
登真斗への枕カバー
しそ美は仮眠用の枕カバーを
登真斗に作るのが好きで
登真斗も素直にそれを使い
逢う度に新しい物と交換し
しそ美は登真斗の匂いの
枕カバーを持ち帰り洗濯している
"すごい寝やすい！！"
しそ美の新作の枕カバーに
登真斗は喜ぶ
そしてその笑顔に満足する
しそ美であった
そんなやりとりの途中で
急に登真斗が
しそ美の手を取り
指に指輪をはめた
いきなりの流れるような展開に
しそ美は目が追いつかない
"俺の小指にはめておいたのに
それでも緩いんか？！"
登真斗が不思議そうに
薬指から人差し指へと
指輪を移す
"ずっとはめとったから
仕事で色が変わってもた！"
ピンクゴールドのような指輪が
しそ美の指にはめられて
急な展開にあっけにとられながらも
しそ美は少ししてから
"嬉しい！！！！"と
登真斗の首に抱きついた
しそ美の何度も言う
"ありがと！"に
登真斗は嬉しそうにうなずいた
"一生大切にするね"にも
登真斗は微笑んだ
こんな日がくるなんて。
2022の喧嘩別れ、
"お前と俺はもう別々の人生や！"
と叫ばれて入ったサイレント、
廃人のように修行僧となり
身も心もズタボロになるのを
経験した8ヶ月、その間登真斗は
他の女性にうつつをぬかしていた
屈辱と悲しみ、愛憎渦巻く日々
からの
自分に向き合った日々。
仕事に専念した日々。
子供達に向き合った日々。
離婚してからの日々。
長い長い
されどあっという間の日々が
走馬灯のように駆け巡った
なのに
それほど心は弾まずに
不思議と当たり前の展開の如く
冷静だった
2023年のライオンズゲートは
まさかの登真斗が
指輪をくれるという
宇宙様からの壮大なギフトを
受け取った
されどもう
こんな展開になることを
実は夢で見ていた
しそ美であった。.:＊・゜
2023.8.8.
道照 月子
ツインレイストーリー 大人の童話
～episode32に続く～