「由依、さん、、、、ぐる、じいぃ、、、」






いつからだろう。






由依さんは私に手を出すようになっていた





小「ひかる、私と付き合って欲しい」


私は元々由依さんの事が好きだったから
すぐにOKした


だけど、由依さんは特殊だった




由依さんは人を痛めつけるのが好きらしい
俗に言う癖だ



だから、世でいう夜の行為は体を重ねることかもしれない



でも私達は違う



由依さんに一方的に傷付けられるだけ






私は本当は嫌だった



だから、最初の方は抵抗したし、今でも「やめてください」と由依さんに訴えている




それでも由依さんはごめんねと言ってやめてくれない



正直しんどい




でもほら、もう由依さんスイッチ入っちゃって
こちらを向いてるよ






あぁ、また苦しい思いするのか、




バチン



急に平手打ちをされた



急に平手打ちをされて体がよろけたと思うと
由依さんは私の肩を押し、そのまま押し倒された



由依さんは私に股がってくる




由「ごめんね、ひかる」



ひ「……」



バチン



ひ「っつ……」


由「何も反応無し?私が話しかけてるのに」


ひ「す、すみません、、、」


由「じゃあ、鞭でも何でも私を痛めつけて下さいってお願いして」


ひ「……む、鞭でも、何でも、私を痛めつけて、く、下さい、」


由「はい!よく言えましたぁー」


由「任せてね!ひかる!」




怖いよ、何するの?嫌だ、嫌だ。



パシン!



ひ「え、?」


床を叩く大きな音が聞こえ、音の出口を見ると
そこには本当に鞭を持っている由依さんがいた





ひ「ゆ、由依さん、?それ、、、」


由「んー?あー、鞭だよ」



ひ「それで、どうするんですか、、?」


由「え?笑」
「何言ってんの?そりゃこれで叩くに決まってんじゃん」

ひ「え、で、でも、そんなので叩くと跡残っちゃう」

由「ふふ、大丈夫だよぉー」





バチン!


バン      バコ     ガッシャン





何回も、何回も殴られ鞭でも叩かれ
私は限界に近かった





由「ひかる?ダメだよ!」


由「これからだよ!ほら、意識保ってないと」




ともう既に意識が飛びそうになっている私の頬をペチペチと軽く叩いてくる



すると、また由依さんは私に跨り、今度は服を脱がせてきた




由「ひかる、今から裸になってもらうよ」


ひ「ハァ、ハァ、裸になって、何になるんですか、ハァ、」




由「もっとひかるの痛みに悶えている顔が見たいんだよね」




由依さんは喋りながら器用な手付きで私を一糸纏わぬ姿にした




正直恥ずかしいし、今から痛い事されると考えると逃げ出したくて仕方なかった




だから私は行動に移した




由依さんが私の上から離れ、机の上にある鞭を取っている間に逃げる事にした







由依さんは私をじっくり眺めた後、鞭を取るために私から離れた





今だ!!!





私は急いで起き上がり、近くに投げられていた自分の衣服を拾い上げ走って玄関に向かった



もう少しで出れる





ガチャ  ガン





あれ?




なんでこのドア開かないの?





ねえ、ねえ!!





ガチャ  ガチャ
   




由「ふふ、ひかる無駄だよ?」



ひ「ゆ、由依さん……、」




後ろから声が聞こえ、振り向くとそこには鞭を片手に笑顔で立っている由依さんがいた




由「もしかすると逃げられるかもーって思ったから鍵閉めといた」





そう言われドアを見渡すとドアの1番上の方、
私には届かない所に鍵が掛けられていた




由「んふふ、ひかる届かないでしょ?」




自分の身長が低い事に心底絶望する




由「ほら、どうせ逃げれないんだから素直に私の言う事聞きな」




あぁ、もう無理だ、諦めよう、、、


どうやってもあの人からは逃げ出せないと確信し、
諦めて由依さんについて行く事にした


由依さんにおいでと手を出され、その手を取り
2人でリビングに戻る




私はさっきみたいに押し倒され、何度も何度も痛めつけられた



バチン!


ガン    バン!    ドン   


ひ「ハァ、ハァァ、、ヒュッ!」


首を閉められ息が出来ない

それに殴られた事で息が上がりもっと息が吸えない


ひ「ゆ、由依ざん、、、グ、、ぐるじぃ、、」


由「可愛いよーひかる!」

ひ「ヒュッ、、だ、ずげて、、、、」



息が上手く吸えず、どんどん自分の体から力抜けていく




次第に由依さんが揺れているように見え始め、
視界が白くなってきた





頭もボーッとし始めた




あ、もう私、死ぬんだ、




そう思い少し嬉しかった





やっと、やっと由依さんから逃げれる







そう思っていたのに、由依さんは意識が飛ぶ寸前で手を離して来る




ひ「ハァァア!、、ゲボッ、、ゲボッ、、ゥ、ハァ、ハァ、」


由「このまま死ねると思ったでしょ?」


ひ「ゲボッ、、ハァ、、、」




息が上がり、咳が止まらず返事が出来ないでいると




バチン




ひ「あぁぁ"!、ハァ、、うぅ、、」



由「ひかるー?何で返事しないの?」
「ねえ、何で?なんでなの?」


ひ「ご、ごめんなさい、、許して、、、」


由「んーどうしようかな」


由「じゃあ、二度と私から逃げない。離れないって誓ったら許してあげる」



そう、由依さんから逃げるのは今回が初めてでは無い

何回も何回も逃げ出そうとしては捕まって、
最終別れて欲しいと言うと、酷く痛めつけられた




でも、そんな事誓ったら私、死んじゃう、、




ひ「嫌です、、絶対に誓いません。」







ひ「由依さん。私達、別れましょう、。」





もう、こんな生活懲り懲りだ




このまま由依さんと居るといつか死んじゃう、



だから私は死ぬ気で別れを告げた








由「は?」



背筋が凍る



酷く低く、少し掠れた、怒りに満ちた声。

由依さんが、本気で怒ってる




私は恐怖で由依さんの顔を見ることが出来なかった




由「そんな事、許されると思ってんの?」


ひ「、、、、。」



バチン



ひ「あぁ!うぅ、、、」



由「なんか言えよ」



ひ「も、もう、いや、です、。」

由「何が?」


ひ「こんな事嫌です、」


由「なんで?ひかるはこういうの分かってくれてたんじゃないの?」



ひ「、、私が、いつ、良いですよ。って言いましたか、?」 



ひ「私が、いつ、良いですよ。殴ってきていいですよ。って言いましたか、?」




ここまで強く由依さんに言葉を掛けたのは初めての事で、やっと、やっと逆らってまで言葉が出てきてくれた。

涙も溢れて止まらない。




由「なら、ならなんで私と付き合ったの?」

ひ「え、?」


由「ひかるが、ひかるが全部悪いんじゃん……」

由「ひかるが!ひかるが私を、こんな私を!!変えてくれるって、こんな事辞めさせるって、言ってくれたから…」


ひ「、、、、」


由「結局、何も変わらないじゃん!!なのに、なのに別れろっていうの?ねえ!」


ひ「、、、、、」


由「なんか言えよ!」


ひ「ごめんなさい、、」


ひ「本当にごめんなさい、由依さんを変えられなくて、、、」


由「、、これから変えていってよ、」


ひ「、、、はい、」



まただ。
まただよ、私がいつ由依さんを変えるなんて言った


由依さんは嘘をつく癖もある。
嘘をついて、そこで変に約束みたいなものをさせられて、気付いたら、色々な約束が出来てる


もう由依さんから逃げる事も出来ないし、
由依さんを変える事を出来ない。










朝、目が覚めるともの凄く体に激痛が走った

でも、今日はレッスンの日。

休む事など許されない




ひ「うぅ、はぁ、行かなきゃ」



まだ早いけど由依さんはもう既に行っているみたい

早めに準備を終わらせ、鏡の前に立つ



ひ「うわ、やばいかも、これ」



ダボっとした服を着て怪我を隠そうとしているのに
首の上の方にある赤い線がどうしても隠れない


ひ「でも、もう行かないと時間が」

ひ「もういいや、」


私は諦めてレッスンに向かった



だが、この決断が最悪の事態を招くとは
この時の私は思ってもいない













to be continued 




るん天