麻生太郎氏の「9月解散」論に菅、二階氏が冷ややかな理由 | 前山和繁Blog

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このごろ、過去に書いた記事の誤っている箇所が気になり始めてきた、直したい箇所もいくつかあるが、なかなかできないでいる。

英語学習の記事も時折書くことにした。

麻生太郎氏の「9月解散」論に菅、二階氏が冷ややかな理由

 

 

アベノミクスは株高でデフレを継続から国民の注意をそらした経済政策。そしてある程度の株高のおかげで2度の消費税増税を実行できた。しかしデフレ継続の最中で株高が株安に変化したら、安倍政権の存在意義がなくなる。

 

しかし任期も残りわずかな中で、安倍首相が消費税減税というデフレの状況において必須の政策を決断するかどうか。

 

焦点は物価であり、消費税増税が物価上昇を阻んでいるという、極めて単純な観察ができていない人々がいまだに多くいる。こういった国民が多くいる状況が内閣支持率を顕著に下げずにいる理由の一つなのだろう。

 

ある程度の株高の維持に貢献したのは日銀であり、安倍首相は消費税増税を2度も決め日銀に過重な負担をかけたのであった。しかし、この問題についても大部分の国民は意識すらしない。

 

この前に決まった国民一人当たり10万円の給付金についても、マクロ的な物価水準の維持について意識を向けていた人は、さほどいない様子だった。これも困った状況。

 

2019年10月に実行された消費税10%への増税によって、2020年の日本経済のGDPはマイナス成長になる可能性が高い。そういった状況で安倍内閣の支持率が下がらずにいる、あるいは国内の雇用が維持されるという感覚を持っている人がいるとしたら的外れの感覚を持っている人ということになるが、その的外れの感覚を持っている人々が案外多くいそうなのである。

 

GDPの数字の変化も何も確認すらしない人々が多くいる。

 

しかし、消費税率10%による日本経済経済悪化は、失業率の上昇、賃金の低下等、今年中に覆い隠せない水準になるかもしれない。当然のことながら株価もやや不安定になりかねない。追加経済対策を継続的にやり続けられるなら経済悪化を押し留められるが、それは消費税を10%に増税したのが失策だったことをどこかで認めざるを得なくなるということでもある。

 

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麻生財務相が秋解散を進言しているとしたら、意識は株価にしかなかったとしても、マクロ的な感受性が備わっているという解釈ができる。感受性の有無なら麻生財務相の方が多くの国民よりもましなのである。麻生財務相は、この状況を長く放置したら危ないという意識を持っている。だからデフレ継続株高というアベノミクスは安倍内閣が故意にやっていたと解釈するしかない。

 

2020年7月現在、豪雨による九州地方その他の地域の被害は無視できないが、かといって経済的な問題を放置し続けると倒産の増加を引き起こしかねず、いつ解散するかは難しい判断になる。

 

解散のタイミングを引き伸ばして来春以降夏前のどこかで解散するとしたらその時は日本の失業率が高くなっていて自公政権に不利な状況になっている。ということは野党が議席を増やしたいなら来春以降の解散を望むべきかもしれない。しかし、倒産や失業が増加した後で議席を増やすことに何の意味があるのかと考えると、結局、消費税減税を掲げられるなら早めの解散が野党にとっても最良のはずである。

 

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ある程度の額の預貯金のある年金生活者にとってはインフレの発生は、そのインフレの度合いに応じて現金の価値を目減りさせることしかならないが、現役世代の雇用及び所得の確保のためには、その程度の損は引き受けてもらうしかない。

 

そして年金生活者でも株の買い方が分かっているなら、インフレが発生しても実物資産である株を持っていさえすれば、通貨の実質的な価値の目減りの影響から逃れ資産を増やせる。