社説:高市政権の岐路 分断と格差埋める方策こそ
私は近年様々な人々が口にしている衆議院の議員定数削減や中選挙区制への復活物語に触れてかなりの引っ掛かりを感じて、佐々木毅編の『21世紀デモクラシーの課題』砂原庸介の『大阪』を読んでその引っ掛かりを、ある程度説明できるようになった。そして今、御厨貴編の『変貌する日本政治』を部分的に読んで、どうしても議員定数を削減し中選挙区制復活をしてしまったら、かつての農村部の自民党を支持する有権者の1票の価値が高くなり、だから結局、自民党有利にしかならないと確認できた。
何度も書いたが、かつて地方が東京の富を再分配によって奪っているというような主張をしていて道路公団民営化を主張した猪瀬直樹は2026年現在、維新の参議院議員であるが、自民党の利得を最大化する議員定数削減と中選挙区制復活を主張する藤田文武を注意しなければならないはずなのに、なぜしないのかをメディアの記者がしてほしい。メディアの記者が猪瀬直樹から議員定数削減及び中選挙区制を本来、小さな政府が党是である維新や、小さな政府が個人的信条である猪瀬直樹が承認するのは矛盾しているのを質問しコメントをしてもらいたいのである。
私は『変貌する日本政治』や『21世紀デモクラシーの課題』や『大阪』を読んでみるとそれらの著者の人々はマクロ経済学への感受性は乏しい。しかしマクロ経済学の研究者や研究者でなくともマクロ経済学の知識をもちいて本を書いている人々や政治家は、政治学や行政学の研究者ならすぐに気づくような議員定数削減や中選挙区制復活といった自民党の利得を最大化してしまう物語を誰かに言わされるがままに発言することへの抵抗感が乏しいらしい。
大抵の人はどんなに優秀でも専門外のこととなると全くあやふやになってしまうというのが、むしろ当たり前ということなのだろう。
2024年の衆院選の小選挙区の候補者数は合計で1113人。これを289区で割ると1区あたり平均3.85人の候補者数。
そして東京都の候補者数は全30区で144人、割る30区で1区あたり平均4.8人。
神奈川県の候補者数は全20区で85人、割る20区で1区あたり平均4.25人。
埼玉県の候補者数は全16区で66人、割る16区で1区あたり平均4.125人。
千葉県の候補者数は全14区で60人、割る14で1区あたり平均4.2857人
大阪府の候補者数は全19区で77人、割る19で1区あたり平均4.0526人。
以上の数字はもしかしたら数字の写し間違いや計算間違いがあるかもしれないが、それでも都市部の方が1区あたりの候補者数が多い。ということは農村部や過疎地の1区あたり平均候補者数は少ないのである。
単純に農村部や過疎地で立候補するのは費用がかかるから都市部で立候補者を多くするしかない小規模な政党が多いのである。
そういう実態があるのにも関わらず自民党の利得を最大化してしまう、議員定数削減や中選挙区制復活などしてほしくない。
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製紙会社はエネルギー特に原油の輸入量と生産性との相関がきれいに出る業種であろう。原油の輸入量の変化を日々確認して、どんなに高くなったとしても原油を必要なだけ確保し続けていれば不利にはなりにくいのかもしれない。






