「それは、星導灯?」



エイミーの瞳が

わずかに揺れた。



「ご存じなのですね」





「昔、似たものを見た

 ことがあるわ。

 ただ、あなたのものは

 ずいぶん澄んでいる」



エイミーは胸元に

灯を寄せた。



「この灯は、持ち主の心が

 乱れると、すぐに曇って

 しまいます。

 だから私たち案内係は、

 まず自分が慌てないことを

 教えられます」



それから彼女は、

少し恥ずかしそうに

笑った。



「とはいえ、

 私もよく慌てます」



その瞬間、

彼女の神秘性が

少しだけ

人間らしく

ほどけた。


マイケルは

それが

気に入った。



「エイミーって、

 ずっとここで

 案内してるの?」


「はい。

 天穹の頂駅は、

 いろいろな人が

 通りますから。

 帰る人。進む人。

 逃げてきた人。

 探しに来た人。

 それぞれの

 空路が

 あります」



エイミーは、

星導灯を

少し持ち上げた。


青い光が、

ホームの床に

細い線を描く。


その線は

まっすぐで

はなかった。

人の足元を避け、

荷物の間を抜け、

泣いている子どもの

前で少しだけ丸くなった。


エイミーは

子どもの

そばへ

歩いた。



「どうしました?」



子どもは

鼻をすすった。



「お母さんが……いない」