オタール·イオセリアーニ映画祭 「田園詩」「落葉」「歌うつぐみがおりました」 | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?



「オタール·イオセリアーニ映画祭~ジョージア、そしてパリ」予告編 オリコン洋画館 ORICON NEWS チャンネル 2023/2/6:1分45秒 (⬇)】


【監督紹介(⬇):「オタール·イオセリアーニ映画祭~ジョージア、そしてパリ」HP(⬆)より引用。】


ジョージア(旧ソ連グルジア共和国)に生まれ、映画製作を行なうも上映禁止など制限を受け、故郷を後に新天地パリヘ。カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなど世界各国の映画祭で数々の賞を受賞し、ゆるぎない評価を得ているオタール・イオセリアーニ監督。反骨精神をスパイスにセンスの良いユーモアでノンシャランと笑い飛ばすイオセリアーニの素敵な世界で、ちょっとした幸福を体感あれ!
〈引用終り〉

不勉強で私もこれまで全く知りませんでしたが、ベルリンやカンヌ国際映画祭で数々の受賞を果たしている、ジョージア出身🇬🇪のオタール·イオセリアーニ(1934~2023)という映画監督がおり、その特集上映が行なわれていたので、「田園詩」(1975)、「落葉」(1966)、「歌うつぐみがおりました」(1966)の3本を観て参りました。
本当は上映された21作品全部を観たかったのですが、時間的制約等でなかなかそうも行かず、残念でした。
ハリウッド映画とは全く違う、欧州映画に似てはいるが、少し違うどこか飄々としたスタイルとリズム。ハリウッドの娯楽大作ももちろん面白いが、それとは180°違う映画もあって、それはそれで面白い。映画って深いなぁと思いました。



リハーサルのために田舎を訪れた弦楽四重奏団と村人の交流を通して、自然と人間をみずみずしいタッチでとらえ、祖国への思いをつづった映像叙情詩。
グルジアのとある農村の夏。この村に、都会の喧騒を離れてリハーサルをすべく、数人の若者たちが訪れた。彼らはさっそく村人たちの関心を引く。酒場では男たちが一杯付き合えと迫り、少年たちは何かといたずらを仕掛けようとし、子供たちは練習が始まると歓声を挙げて集まり、おばさん連中は陰で悪口を言う。音楽家たちはコルホーズの運転手の家に宿泊する。その家の美しい娘エドゥキ(ナナ・イオセリアーニ)は幼い弟や妹の面倒を見、村人たちと共に農作業に出かけるのに加え、彼らの世話もするので忙しくなるが、楽しみも増えた。イチゴ摘みをしたり、粉挽き小屋でおしゃべりしたり、干し草の上で遊んだりして毎日を過ごすうちに、メンバーの一人の青年は、彼女を好きになったようだ。村には様々な人々がそれぞれの生活を営んでいる。牧草地の草を勝手に刈った刈らないでもめる男たちや、エドゥキの家の新しく作る窓の向きが気に入らないといってヒステリーを起こす隣家の婦人。エドゥキの父親とて休憩時間にコルホーズのトラックを私用に使い、役所で大目玉を食らったりしている。そんなある日、街からカレおじさんがやって来た。カレは村の実力者の一人で、揉め事を仲裁したり、部下と川へ釣りに出掛けたりと忙しい。村の長老アントンを囲んでパーティーが催されたが、楽団員で出席したのはリーダーだけで、彼とエドゥキに思いを寄せる青年は激しく対立する。一方、エドゥキの両親は、女房がカレにお土産として大事な酒まで渡してしまい、掴み合いの夫婦喧嘩に。夏も終わりに近づき、雨の季節が到来し、楽団員とエドゥキは一日、家の中で過ごすことが多くなる。そしてついに、音楽家たちが街へ帰る日が来た。彼らが去った村では、今日もいつもの光景が繰り返されている。



ソビエト連邦の共和国の一つグルジアの自然豊かな町を舞台にワイン工場で働く若者たちの日常を描く。 

グルジアの人々の生活源は、自然豊かな土地を利用した葡萄づくりと、その葡萄から加工されるワインである。秋はその収穫の季節。ニコ(ラマーズ・ギオルゴビアーニ)は、ワイン工場の若い技術者である。まじめな人柄は、工場の人々の信頼を得ていた。ニコは、研究室に勤める美しい娘マリナ(マリナ・カルツィワーゼ)に惹かれていたが、彼女のまわりには、幾人もの男性がつきまとっていた。工場が休みの日は、若者たちは、それぞれ自由にエネルギーを発散する。バスの中でマリナを見かけたニコは、彼女の方も誠実なニコに気があることを感じ取るのだった。一方、工場ではやっかいな問題が起きていた。ワインの質の向上よりも生産量をあげようと計っている工場側はまだ酸味の残るワインをびん詰めにして出そうとしていた。労働者たちはこの工場側の方針に異議をとなえた。ニコは、率先して立ち上がった。抗議するニコたちに、工場側の態度は冷たい。そこで、ニコは実力行使に出た。工場にあるワインの樽にゼラチンを入れて固めてしまったのだ。びん詰めにできないことであわてた工場側は憤慨するが、ニコのこの思いきった勇気と信念には、屈するしかないのだった。





落ち着きがなく自分勝手なお調子者の男のせわしない日常を、瑞々しく描く。
オペラ劇場のオーケストラで働く若きティンパニー奏者ギア (ゲラ・カンデラキ) は、遅刻常習者。練習の時はもちろん、演奏会にもしょっちゅう遅刻している。そのうえ本番中、自分の出番がいったん途切れると会場を抜け出して用事をすませたり、仲間と遊びに行ったりしては終演ぎりぎりに駆け足で戻ってきて、やっとのことで最後の一打に間に合わせる始末。なんとか帳尻を合わせてはいるものの、指揮者 (ジャンスグ・カヒーゼ) をはじめオーケストラのメンバーはギアを苦々しく思っている。ギアの処遇をめぐって話し合いが開かれることになり、ギアは所長室に呼び出されるが、彼が女の子とふざけあっているうちに所長は出かけてしまう。約束をしてはすっぽかしたり、都合のいいときだけ押しかけたりと、ギアの調子のよいだめ男ぶりに愛想をつかして離れていく女の子もいるが、それでも彼の憎めないキャラクターは男女を問わず周囲の人々を魅了し、彼もまた懲りずにナンパを繰り返す。「何かしてないと落ち着かない、だけどやることが全部裏目に出てしまうんだ」とつぶやくギアに、友人の医者は「じゃ、ゆっくり休めよ」とアドバイスをするが……。

〈引用終り〉


【鑑賞日·場所】

「田園詩」(1975) (98分) 2023年3月17日

「落葉」(1966) (96分) 同年同月19日

「歌うつぐみがおりました」(1970) (82分) 同年同月20日

場所:ヒューマントラストシネマ有楽町






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