3月5日、実に久しぶりに、生の芝居を観劇して、秀樹感激した ブログをひっくり返してみたら、2018年11月14日に新宿南口 紀伊國屋サザンシアターで三島由紀夫原作、東出昌大主演の「豊饒の海」を観劇して以来、実に4年4ヶ月ぶりの観劇である。
映画も良いけど、やっぱり目の前で、生身の俳優の方々が演じる、その人の息づかいや汗や祈りや叫びが感じられる演劇は、また格別の趣きがある。
トルストイの原作については、全4巻のうち、ちょうど第2巻までを読み終えたところでの観劇だったが、芝居でも第1幕の1時間40分程がぴったり第2巻までの内容で、エピソードは意外にも全て原作のとおりだった。但し、登場人物の台詞は、相当現代化されている感じ。
まあ、トルストイと聞くと、文豪というイメージで何か身構えてしまうが、実は「アンナ·カレーニナ」は、「戦争と平和」で名声を得たトルストイが当時の新聞に連載した小説。現代で言うと、NHKの朝の連続テレビ小説みたいなもの()で、毎日皆が楽しみにしていたらしい。
そんな連載小説でありながら、結婚·離婚等々の問題や、農村問題、貴族社会の問題、革命前夜のロシア社会等々、当時の問題が群像劇として描かれており、この芝居もその点を生き生きと描いて面白い。「アンナ·カレーニナ」という題名からは、アンナ中心の物語の様なイメージがあるが、これは、アンナ·カレーニナ (宮沢りえ) とその夫カレーニン (小日向文世)、恋人ヴロンスキー (渡邊圭祐)、アンナの兄オブロンスキー (梶原善) とその妻ドリー (大空ゆうひ)、オブロンスキーの親友で理想の農業を夢見るリョーヴィン(浅香航大)、その恋人(後に妻)でドリーの妹であるキティ (土居志央梨) が繰り広げる群像劇なので、話があっちこっちに飛んで判り難い面もあるが、とても面白くもあり、160年程前のロシア社会と、現代の共通点の多さも、また興味深い。
ご興味の有る方、あらすじ、キャスト、演出 (フィリップ·ブーリン)、観劇レポート等の詳細は、こちらのBunkamura特集サイト()をご覧下さい。
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