時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。そして、同じ時刻、ある視線が、もう1人の若い女性をとらえる――。
新しい小説世界に向かう、村上春樹の長編第11作。
【結末までのネタバレありのあらすじ】
【感想】
村上春樹長編第11作だが、大作「海辺のカフカ」(2002 文庫本2冊1,000頁)と超大作「1Q84」(2009~2010 文庫本6冊2,100頁)の間に書かれた作品であり、文庫本1冊290頁だと、まるで短編の様に短く感じる。まして、たった一晩(0時~7時)の出来事についての物語なので尚更か。
それでいて不思議でダークな村上ワールドは味わえるので、「国境の南、太陽の西」(1992)と「スプートニクの恋人」(1999)と並び、村上春樹入門にはおすすめであろう。
著者:村上春樹
題名:アフターダーク
単行本発行日:2004年9月7日
文庫本発行日:2006年9月15日
発行元:講談社(講談社文庫)
読了日:2021年7月5日
No.11470 Day 4440