アンドレイ•タルコフスキー 「鏡」 (1975) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?




【kinopandora チャンネル 2020/9/24公開:1分00秒】







【Visual Art Garage チャンネル 2020/11/18公開 「アンドレイ•タルコフスキー映画『鏡』の世界」:5分41秒】



【作品解説:2002年に開催のイメージフォーラム「生誕70周年記念アンドレイ•タルコフスキー映画祭」HP(下矢印)よりの引用】

この作品は、アンドレイ・タルコフスキー監督の自伝的映像詩である。映画は、作者である"私"による一人称形式で進行し、"私"が胸に秘めている母への思いや、別れた妻や息子との間に織りなされる感情の綾を意織下の過去と現実を交錯させながら浮かびあがらせていく。


すでに、タルコフスキー独特の巧みな演出は、木立を抜ける風のそよぎにも人間の心象を映し出して見せると言われてきた。この作品でも、"水"や"火"といった自然現象がこの監督独自の映像となって、美しい幻想的なイメージのなかに繊細かつ鮮明に語りあげている。


意識下の過去と現実を巧みに交錯させて作者の深層心理を浮き彫りにしてゆく独特の映像表現には、タルコフスキー映画のファンのみならず酔いしらされてしまう。この作品は、作者の深層心理を鮮烈なイメージにして浮かびあがらせた映画による詩と言えよう。


また、ソ連成層圏飛行、スペイン戦争、第二次世界大戦、中国の文化大革命、中ソ国境紛争(ダマンスキー事件)などの数多くの記録フイルムの断片が随所に挿入され、歴史の現実が個人の生き方に与えるさまざまな波紋を暗示している。




【ネタバレありのあらすじ(この映画にあらすじは有って無きが如しだが):Wikipedia(下矢印)をご参照下さい。】



【感想】

昨年12月にアップリンク吉祥寺で行なわれた「ソビエト時代のタルコフスキー」特集で、①「ローラーとバイオリン」(1960)、② 「僕の村は戦場だった」(1962)、③「アンドレイ•ルブリョフ」(1971)、④「惑星ソラリス」(1972)、⑤「鏡」(1975)、⑥「ストーカー」(1979)の6本のアンドレイ•タルコフスキー監督(1932-1986)


の作品を鑑賞したのだが、最初に観たのがこの「鏡」である。結果としてみれば、6作品の中で、この「鏡」が一番難解であった。

正確に言うと決して難解な訳では無く、ストーリーが殆ど無くタルコフスキーの自伝的性格が強く、母親への思慕の情を中心とするタルコフスキーの心像風景•記憶•追憶が描かれるので、何の予備知識も無い初見では、理解が追いつかないに過ぎない。もう一度観れば、かなりを理解出来るだろう。

映画については、上のイメージフォーラムの作品解説(上矢印)のとおり、映像詩人と言われるタルコフスキー(この映画では、父アレクセイ•タルコフスキーの詩を自身で朗読している)の、水と火と木の織りなす森が登場人物たちの心像風景を表現しているのだ。このタルコフスキーのスタイルは時に冗長で退屈で眠くなるとも言われるが、この「鏡」がそういう側面が一番強い。

私がこれまで唯一観ていた「惑星ソラリス」もそう言われているが、今回改めて観ると全然そんなことはない。むしろサスペンスフルな展開で画面から眼を離せない。タルコフスキー自身が一番気に入っていたと言われる「ストーカー」は「惑星ソラリス」よりもさらにハラハラドキドキさせられる。そんな世間一般のタルコフスキー像が見事に覆された特集であった。

そういう意味では、最初に観たのが「鏡」だったのは正解。あとの作品は、「鏡」をクリア出来れば、はるかにに判り易いのだから(笑)



【スタッフ•キャスト等:Wikipedia(上矢印)よりの引用】

監督:アンドレイ•タルコフスキー
脚本:アンドレイ•タルコフスキー、アレクサンドル•ミシャーリン
撮影:ゲオルギー•レルベルグ
音楽:エドゥアルド•アルテミエフ
作中挿入曲:ヨハン•セバスティアン•バッハ 「オルガンのためのプレリュード」「ヨハネ受難曲」断章、ジョバンニ•バッティスタ•ペルコレージ「スターバト•マーテル」断章、ヘンリー•パーセル「弦楽組曲」
キャスト:
母マリア/妻ナタリア (マルガリータ•テレホア)
 (オレーグ•ヤンコフスキー)
少年時代の作者「アレクセイ」/現代の作者の息子「イグナート」 (イグナート•ダニルツェフ)
幼年時代の作者 (フィリップ•ヤンコフスキー)
医者 (アナトーリー•ソロニーツィン)
挿入詩 (アルセニー•タルコフスキー 「アンドレイ•タルコフスキーの実父」)
挿入詩朗読 (アンドレイ•タルコフスキー)
ナレーション (イノケンティ•スモクトゥノフスキー)

上映時間:1時間48分
ソヴィエト公開:1975年3月7日
日本公開🇯🇵:1980年6月14日


【鑑賞日•場所】

鑑賞日:2020年12月5日
場所:アップリンク吉祥寺


【アンドレイ•タルコフスキー監督作品一覧】

① 「ローラーとバイオリン」 (1960)
② 「僕の村は戦場だった」 (1962)
③ 「アンドレイ•ルブリョフ」 (1971)
④ 「惑星ソラリス」 (1972)
⑤ 「鏡」 (1975)
⑥ 「ストーカー」 (1979)
⑦ 「ノスタルジア」 (1983)
⑧ 「サクリファイス」 (1986)






No.11208    Day 4252