1988年のリュック・ベッソン監督の映画「グラン・ブルー」の主人公のモデルとなった実在のフリーダイバー ジャック・マイヨール(1927-2001)についてのドキュメンタリー映画。
下の写真でご覧戴けるとおり、「グラン・ブルー」でジャック・マイヨールを演じたジャン=マルク・バールと、実際のジャック・マイヨールの風貌は全く違うのだが、このドキュメンタリー映画でナレーションを担当しているのは、そのジャン=マルク・バール。
このドキュメンタリー映画によると実際のマイヨールは上海生まれで、戦前の日本の佐賀県唐津市に何度か休暇で訪れており、その時に海女と出会ったことが彼の人生に決定的影響を与えた。「グラン・ブルー」のギリシャではなく、唐津がフリーダイバー マイヨールの原点だったのだ。
マイヨールとイルカとの出会いもその佐賀県唐津市の七つ釜だったと、Wikipediaにはあるが、このドキュメンタリーではフィリピン セブ島での出会いだったとしている。いずれにせよ彼はイルカを愛しており、イルカとのコミュニケーションを大切にしていた。また、マイヨールは禅にも深く傾倒しており、ここら辺のマイヨールの精神性については「グラン・ブルー」でも描かれていた。
実際戦後もマイヨールと日本の縁は続き、知己も多く何度も来日していた様だ。本映画でも写真家の高砂淳二氏とダイビングスクール経営の成田均氏へのインタビューにかなりの時間が割かれている。
そんなマイヨールだったが、晩年は鬱病になり、74歳の若さで自ら命を絶ってしまったのは残念でならない。彼の魂は今も深海でイルカたちと戯れているのであろうか。
上映時間:1時間18分
日本公開:2019年11月29日
鑑賞日:2019年12月1日
場所:アップリンク吉祥寺
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