瀬々敬久 「楽園」 (2019) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?




【予告編:1分04秒】


【特別映像:8分47秒】



【イントロダクション:映画.comよりの引用(→)】

「悪人」「怒り」など数々の著作が映画化されてきたベストセラー作家・吉田修一の短編集「犯罪小説集」を、「64 ロクヨン」の瀬々敬久監督が映画化。綾野剛、杉咲花、佐藤浩市ら豪華キャストが集結し、犯罪をめぐる喪失と再生を描き出す。

ある夏の日、青田に囲まれたY字路で少女誘拐事件が起こる。事件は解決されないまま、直前まで被害者と一緒にいた親友・紡(杉咲花)は心に深い傷を負う。それから12年後、かつてと同じY字路で再び少女が行方不明になり、町営住宅で暮らす孤独な男・豪士(綾野剛)が犯人として疑われる。追い詰められた豪士は街へと逃れ、そこである行動に出る。

さらに1年後、Y字路に続く限界集落で愛犬と暮らす養蜂家の善次郎(佐藤浩市)は、村おこし事業を巡る話のこじれから村八分にされてしまう。追い込まれた善次郎は、ある事件を起こす。



【結末までの詳細ストーリーをお知りになりたい方は「映画の虜」をご参照下さい(→)】


【感想】

いやあ、暫し、マレーシアの故ヤスミン・アフマド監督の「タレンタイム~優しい歌」(2009)と細い目」(2004)に癒されていたが、「ジョーカー」(2019)同様、また人間の残酷さ、醜さを思い知らされる映画だ。吉田修一の短編集「犯罪小説集」では元々別の小説だった「青田Y字路」と「万屋善次郎」を合わせてひとつの映画としたために、立て付けが少し甘い感じがするが、そのテーマの深さ、表現の力強さの前では、そんなことは小さなことだろう。

吉田修一原作の映画化では「悪人」(2010、感想→)が印象に残っているし、瀬々敬久監督の「64 ロクヨン前編後編」(2016)も良かった。そのふたりがタッグを組んだ作品を見逃す訳にはいかなかった。

今回の映画は、舞台が長野県の某寒村となっているが、そこで起きる「いじめ」「仲間外れ」「村八分」「差別」「人権侵害」等々は、身近な例だと学校でのいじめ問題を考えれば判るとおり、今の日本のどこでも起こり得ること。告発されているのは行き過ぎた均一性、調和を求め、よそ者をいじめ、取り除こうという意識の働く日本の「ムラ社会」である。


【2019年日本公開映画「私のオススメ作品」】

ファースト・マン」「運び屋」「グリーンブック」「ブラック・クランズマン」「バイス」「ビリーブ 未来への大逆転」「コレット」「家族にサルーテ! イスキア島は大騒動」「凪待ち」「誰もがそれを知っている」「さらば愛しきアウトロー」「アルキメデスの大戦」「世界の涯ての鼓動」「ピータールー マンチェスターの悲劇」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」「ガーンジー島の読書会の秘密」「ロケットマン」「火口のふたり」「メランコリック」「トールキン 旅のはじまり」「プライベート・ウォー」「ホテル・ムンバイ」「エンテベ空港の7日間」「真実」「ジョーカー」「蜜蜂と遠雷」「タレンタイム~優しい歌」「細い目」「楽園」(鑑賞順)



【スタッフ・キャスト等】

監督・脚本:瀬々敬久
原作:吉田修一「犯罪小説集」(2016)
撮影:鍋島淳裕
美術:磯見俊裕
音楽:高田伸也
主題歌:上白石萌音「一縷」
キャスト:
豪士「元難民で村に住む、リサイクル業」(綾野剛)
紡「12年前の幼女誘拐事件被害者の友人」(杉咲花)
善次郎「故郷の村にUターン、養蜂家」(佐藤浩市)
五郎「12年前の幼女誘拐事件被害者の祖父」(柄本明)
広呂「紡の幼馴染み」(村上虹郎)
久子「善次郎の身を案じる、村の有力者の娘」(片岡礼子)
洋子「元難民、豪士の母」(黒沢あすか)
紀子「亡くなった善次郎の妻」(石橋静河)
朝子「12年前の幼女誘拐事件被害者の祖母」(根岸季衣)

上映時間:2時間09分
日本公開:2019年10月18日
鑑賞日:2019年10月24日
場所:TOHOシネマズ新宿