リドリー・スコット 「ブレードランナー ファイナル・カット」 (1982/2007) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?




【日本語字幕付ファイナル カットIMAX版予告編:3分14秒】



【イントロダクション:「映画com」よりの引用】

SF映画の金字塔「ブレードランナー」(1982)を、初公開から25年を迎えた2007年にリドリー・スコット監督自らが再編集とデジタル修正を施してよみがえらせたファイナル カット版。酸性雨で荒廃した2019年のロサンゼルス。遺伝子工学により人間そっくりな外見を持ち人間以上の身体能力を持つ人造人間「レプリカント」は外宇宙での過酷な労働に従事させられていたが、そのレプリカントたち4体が植民地惑星から地球に逃亡して来た。レプリカント専門の捜査官「ブレードランナー」のデッカード(ハリソン・フォード)が追跡を開始するが・・・

日本でも2007年11月に劇場公開され、2017年10月にも続編「ブレードランナー2049」公開を記念して10年ぶりに劇場公開。2019年9月6日から2週間の予定で、そのIMAX版が、IMAXシアターで劇場公開されている。



【詳細ストーリー(結末までの記述あり):「映画ウォッチ」(→)】



【感想】

監督はエポック・メイキングなSF映画の1つ「エイリアン」(1979年)を作ったリドリー・スコット。
主人公でブレードランナーと呼ばれているロサンゼルス市警の脱走レプリカント(アンドロイド)の始末屋リック・デッカードを演じるのは、「スター・ウォーズ サーガ」(1977~2015)、「インディ・ジョーンズ シリーズ」(1981~2008)等のハリソン・フォード。
デッカードと恋に落ちるタイレル社(レプリカントの製造メーカー)の秘書レイチェル役(実は彼女もレプリカント)にショーン・ヤング。
最後にデッカードと死闘を繰り広げる脱走レプリカントのリーダーにルドガー・ハウアー。

この映画は、冒頭、環境破壊と大気汚染の為に、晴れることなく酸性雨が降り注ぎ、アジア人が行き交い、日本語のネオン・看板等(強力わかもと!)が立ち並ぶ2019年のロサンゼルスの描写で、観るものを映画の世界に一気に引き込む。

「2つで充分ですよ!  判って下さいよ!」と日本食屋台の親父(ロバート・オカザキ)が日本語でデッカードに言うシーンはあまりにも有名。その他にも警察無線等から日本語が良く聞かれるし、スピナー(空中飛行車両)のボディには日本語で「警察99」とある(笑)

私はたしか映画を観た後にディックの原作を読んだと思うが、フィリップ・K・ディックの世界は元々、現実と狂気の境目が次第につかなくなる、人間と人間以外の知性体の区別が判らなくなるといったものが多く、映画の原作の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(1968)もその例外ではない。

「ブレードランナー」(1982年)公開後、実はデッカードもレプリカントではないのかと言う論争が巻き起こったが、ある意味それは当然である。その点では、意外にこの映画は原作のテーマをスクリーンに色濃く展開している。

ファイナル カット版では、そのデッカードレプリカント説を示唆するかの様に、デッカードが見る夢のシーンが追加されているが、全然違和感はない。

また、オリジナル版では、1人称のハードボイルド小説の様に、デッカードが語り手となって進んでいたのだが、これは当時プロデューサーに加えられたナレーションであったため、ファイナル カット版ではそのナレーションは削除されているが、映画のハードボイルド調も全く損なわれていない。

それらに加えて、今回のIMAX版は、画面の隅々まで良く見えるのが嬉しく、オリジナル版やヴィデオ/DVDでは気づかなかった細かいところが判って感動的ですらある。

これを観ると、今度は続編の「ブレードランナー2049」(2017)がまた観たくなる(笑)



【スタッフ・キャスト等】

監督:リドリー・スコット
脚本:ハンプトン・フィンチャー、デヴィッド・ピープルズ
原作:フィリップ・K・ディックの小説 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(1968)
撮影:ジョーダン・クローネンウェス
美術:シド・ミード
音楽:ヴァンゲリス
視覚効果:ダグラス・トランブル
キャスト:
リック・デッカード「ロサンゼルス市警ブレードランナー(脱走レプリカントの始末屋)」(ハリソン・フォード)
ロイ・バッティ「脱走レプリカントのリーダー」(ルドガー・ハウアー)
レイチェル「タイレル博士創造の試作最新型レプリカント」(ショーン・ヤング)
ガフ「ロサンゼルス市警刑事」(エドワード・ジェームズ・オルモス)
ブライアント「ロサンゼルス市警警部 ブレードランナー統括」(M・エメット・ウォルシュ)
プリス「脱走レプリカント バッティのパートナー」(ダリル・ハンナ)
J・F・セバスチャン「早老症のタイレル社遺伝子工学技師 」(ウィリアム・サンダーソン)
リオン「脱走レプリカント」(ブライアン・ジェームズ)
タイレル博士「タイレル社社長 レプリカントの発明・製作者」(ジョー・ターケル)
ゾーラ「脱走レプリカント 蛇使いのダンサー」(ジョアンナ・キャシディ)
ハンニバル・チュウ「タイレル社下請け レプリカントの眼球製作」(ジェームズ・ホン)
ホールデン「ブレードランナー 取り調べ中のリオンに銃撃される」(モーガン・ポール)
日本食屋台の親父(ロバート・オカザキ)

上映時間:1時間57分
オリジナル版米国公開:1982年6月25日
オリジナル版日本公開:1982年7月3日
鑑賞日時:2019年9月6日 15:13~17:10
場所:TOHOシネマズ新宿スクリーン10 IMAXシアター E-16