ヴィム・ヴェンダース 「世界の涯ての鼓動」 (2018) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?




【日本語字幕付予告編:1分39秒】





【イントロダクション:映画comよりの引用(→)】

「パリ、テキサス」(1984)、「ベルリン・天使の詩」(1987)、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(1999)の名匠ヴィム・ヴェンダース監督、「エクス・マキナ」(2015)、「リリーのすべて」(2015)、「トゥームレイダー ファースト・ミッション」(2018)のアリシア・ヴィキャンデル、「X-MEN」シリーズ(2011~2019)のジェームズ・マカヴォイ主演による恋愛サスペンス。フランスのノルマンディーの海辺にあるホテルで出会ったダニー(アリシア・ヴィキャンデル)とジェームズ(ジェームズ・マカヴォイ)は、わずか5日間の情熱的な恋に落ち、互いが生涯の相手であることに気付くが、生物数学者であるダニーにはグリーンランドの深海に潜り地球上の生命の起源を解明する調査、そして英国MI-6の諜報員であるジェームズには東アフリカのソマリア南部(イスラム過激派の支配地域)に潜入して爆弾テロを阻止する任務が待っていた。互いの務めを果たすため別れた2人だったが、やがてダニーは潜水艇が海底で操縦停止となる事態に遭遇し、ジェームズはジハード戦士に拘束されてしまうという、それぞれが極限の死地に立たされてしまう。



【感想】

恥ずかしながら、ヴィム・ヴェンダース監督の作品で観ているのは、「パリ、テキサス」だけ。同監督作品鑑賞、2本目である。
「パリ、テキサス」を観た頃はまだ若かったのか、正直ちょっとシンドかった記憶があるが、今回の作品は波長が合ったのか、退屈することも無く、面白かった。

だが、Wikipediaやネットの記事を見るとあまり評判は良く無い。しかし、とても判りやすい映画だし、舞台のノルマンディーやジェームズ(ジェームズ・マカヴォイ)とダニー(アリシア・ヴィキャンデル)の恋愛描写等々、映像がとても綺麗で素晴らしい。

主人公2人の、それぞれの任務についての物語は、ダニーの潜航の時にだけにそんなアクシデントが起きるかとか、ジェームズが何故そんなに危険なソマリアにたったひとりで潜入するか、諜報機関がその様な計画を立てるか等、確かに突っ込みどころは多いが、おそらく監督の関心はそんなところには無い。

それらは、2人の恋愛を究極のもの足らしめる舞台装置に過ぎない。この映画はファンタジーであり、寓話や神話の様なものである。2人の運命的で純粋な恋愛を、そして2人を引き裂く悲劇を極めて美しい映像で描いたのだ。我々観客は素直にそれに身を任せれば良い。

私の大好きな作品に、ベルナルド・ベルトルッチ監督、デブラ・ウィンガー、ベルナルドジョン・マルコヴィッチ主演の「シェルタリング・スカイ」(1990)があるが、ちょっとその映画を彷彿とさせられたのは、私だけだろうか。

ちなみに、映画の原題「Submergence」は、水没、沈没、潜水、水葬と言った意味である。




【詳細ストーリー(結末までの記述あり):ご興味おありの方はCinemarcheをご参照下さい(→)】



【スタッフ・キャスト等】

監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:エリン・ディグナム
撮影:ブノワ・デビエ
美術:ティエリー・フラマン
音楽:フェルナンド・ベラスケス
キャスト:
ジェームズ「MI-6諜報員」(ジェームズ・マカヴォイ)
ダニー「生物数学者」(アリシア・ヴィキャンデル)
シャディッド「ソマリアの医者」(アレクサンダー・シディグ)
サイーフ「ジハード戦士」(レダ・カテブ)
アミール・ユスフ・アル=アフガニ「ジハード戦士のリーダー」(アキーム・シェイディ・モハメド)

上映時間:1時間52分
米国公開:2018年4月13日
日本公開:2019年8月2日
鑑賞日:2019年8月7日
場所:TOHOシネマズシャンテ







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