岡本喜八 「青葉繁れる」 (1974) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?





【あらすじ:Movie Walkerよりの引用(→)】

田島稔(丹波義隆)は東北の名門校 仙台一高の3年生だが、成績は300人中284番の劣等生で、いつも綺麗な女学生を見ては○○○することばかり夢想している。

ある日、東京の日比谷高校から、見るからに精悍そうな渡部俊介(草刈正雄)が転校して来た。しかも彼は、稔と彼の悪友、デコ(伊藤敏孝)、ジャナリ(粕谷正治)たちの憧れのスナックのママお多香さん(十朱幸代)の弟であった。

宮城第二女子高演劇部と仙台一高演劇部が、男女別学制を越えて英語劇を合同公演することになった。発案者は勿論俊介で、作品は「ロミオとジュリエット」に決まり、俊介がロミオ、ジュリエットにミス宮二女の若山ひろ子(秋吉久美子)の配役になった。

稔たちは面白くない。合同公演をやるというので演劇部に入ったのに、貰った役は従僕A、B、C。しかも、俊介とひろ子の仲がロミオとジュリエット以上に熱々なのだ。

数日後、突然俊介が失踪した。だが、翌朝ひょっこり俊介が現われ、ひろ子が退学して東京へ行った、と稔たちに言った。ひろ子が去った演劇部は火が消えたようである。

それではと、稔、デコ、ジャナリは手当り次第、宮二女演劇部員にモーションをかける。だが、俊介と共に松島の五大堂で彼女たちと待ち合せるが、やって来たのはデブのたん瘤(笠井香里)1人。他の3人は体良く逃げたが、デコが残って破れかぶれで彼女を襲うが、たん瘤はパンティを2枚履き、下には水着をつけた完全武装だったため未遂に終る。

帰り道、仙石線の車内で、仙台一高校長チョロ松(ハナ肇)とお多香さんの仲睦まじい姿を見た4人は、腹いせにチョロ松を殴り倒し、手当り次第に市中の看板・標札を盗み、創立記念日の行事に出品してしまった。

これが県教育委員会の耳に入り、婦女暴行事件と、この看板事件の責任をとってチョロ松校長が辞職願いを出した。この事を知った4人は、退学届を胸に、教育委員会に押しかけて一部始終を話すが、チョロ松の辞職願は受理される。

数日後、辞職後のチョロ松が気にかかって、4人でチョロ松の実家を訪ねてみると、今では自宅で英語塾を開き、張り切っているのを見て安心する。「色々あって、それで人生は面白れえのっしゃ」と俊介。松田英語塾の看板を盗み、4人は風を切って走っていった。




【感想】

草刈正雄出演映画第3作。公開当時の実年齢は、草刈正雄22歳、秋吉久美子20歳、丹波義隆19歳と、高校生を演じるには若干無理があるが、ご愛嬌か(笑)

原作が井上ひさしであり、コメディ タッチで、仙台愛(仙台一高卒業)に満ちた物語を映画化したのは、こう言った物語を得意とする岡本喜八。

しかし、青い高校生よりも存在感を示すのは、校長役のハナ肇だろう。教育者でありながら俊介(草刈正雄)の姉の多香子(十朱幸代)を愛人に囲っているという美味しい役(笑) 今の時代なら、即刻解任されそうだが、すべてがおおらかな時代だった。

ヒロインのひろ子(秋吉久美子)は、井上ひさしと実際に同学年だった若尾文子がモデルらしいのだが、映画の中盤で消えてしまい、以降登場しないのは残念。原作(筆者未読)もそうなのだろうか。




【スタッフ、キャスト等】

監督:岡本喜八
脚本:小林俊一、岡本喜八
原作:井上ひさしの同名小説(1973)
撮影:木村大作
美術:阿久根巌
音楽:佐藤勝
キャスト:
田島稔(丹波義隆)
デコ(伊藤敏孝)
ジャナリ(粕谷正治)
俊介(草刈正雄)
ひろ子(秋吉久美子)
多香子(十朱幸代)
チョロ松校長(ハナ肇)

上映時間:1時間27分
日本公開:1974年9月21日
鑑賞日:2018年7月30日
場所:新文芸坐(池袋)