リスクに冷静に対処するのは難しい…情報の受け取り方 | ピッポさんの読書ブログ

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読書感想文!!!というか備忘録…

『 リスクを認識するときのそういう問題に加えて、もっとショッキングな科学的事実がある。リスクに気づいたりリスクを避けたりといった活動のほとんどをつかさどるのは、脳の「考える」部分ではなく「感じる」部分なのだ(「リスクは感覚」だとする理論がそれだ)。それが意味するところは小さくない。つまり、リスクを避けようとするとき、合理的な考えは少ししか関係ないし、ほとんど関係ないと言っていい。合理的な考えが役割を果たすのは、ほとんど、自分の行動に何か理屈をつけて正当化するときのようだ。

 そういう意味で、マスコミが描くのは、どう見ても単に現実とは関係ない世界だというだけではない。むしろ、感情を感じる部分に働きかけて人の注意をわしづかみにするような世界―受渡最割安センセーションだ。牛海綿状脳症(BSE)の「脅威」を例にとろう。一〇年以上も大げさに騒がれた挙句、BSEで死んだ人は(一番多い推定値で)数百人だ。交通事故で死ぬ人数(数十万人!)と比べてみればいい。ただ、交通事故のほうはマスコミにとっておいしくない。(BSEで死ぬ可能性よりも、食中毒やレストランへ行く途中で交通事故にあって死ぬリスクのほうがまだ高い点に注意してほしい。)

 ああいう煽り方は人の関心を間違った方向に向けてしまう。関心が集まらなくて一番問題なのはガンや栄養失調だ。アフリカや東南アジアでの栄養失調ではもう同情は集められない。文字通り視界から消えてしまった。そんなふうに、私たちの頭の中にある確率に関する地図に従っていてはセンセーショナルなほうへと向かいがちになるから、ニュースなんて見ないほうが情報の点で有利でさえある。 』


ナシーム・ニコラス・タレブ
「まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」
(ダイヤモンド社)

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リスクの捉え方とマスコミが流す情報について少々…

私たちはリスクについて考えるときほとんど感覚的に捉えてしまうようです…

つまり合理的に考えれない…

理にかなってないことをやらかしてしまう…

たとえば…

次のふたつの問に答えてみてください…


問1 次のような状況があったとするとどちらを選びますか?

A 1万円確実に儲かる
B コインを投げて表が出たら2万円儲かり、裏が出たら損得なし

問2 次のような状況があったとするとどちらを選びますか?

A 確実に1万円損する
B コインを投げて表が出たら2万円損して、裏が出たら損得なし


少し時間をとって考えてみてください…

Oo。。( ̄¬ ̄*)

ZZzz....


個人的には、問1ではBのほうがリスクが高いと判断しAを選択します…

問2はちょっと迷いますが…Bを選択しそうな気がする( ̄_ ̄ i)

たいていの人は問1では確実に1万円儲かるAを選択します…

そして問2ではコインを投げるBを選択する…

しかし…リスクという点から考えるとこれはおかしな選択です(よって私もおかしい…)

問1のようにすでに得しているときにはリスクを避けて1万円を確保した…

それなら、問2のように損しているときもリスクを避けて1万円を確実に損するほうを選ぶのが筋の通った選択です…

コインが表なら損失は2倍になるわけですから…


しかし、実際の調査ではそうはならない…

要するにこういう心理がはたらいたものと想像します…

問1では1万円もらえるのだからあえてリスクをおかすことはない…

問2では1万円損するのはいやだからリスクを負ってでもチャラにできるコインに賭けてみよう…

つまり損したくない(損失回避)…

1万円得したときの感覚が「1万よろこび」だとしても、1万円損したときの感覚は「1万がっかり」になりません…「2万がっかり」くらいです…

我々にとって損失のほうが痛いわけです…


以上のような人間の性質を考慮すると…

マスコミが流す情報もうまく受け取る必要があります…

人は不安や恐怖を煽るような話題に敏感です…

引用した記事ではBSEの「脅威」が取り上げられてますが…

それほど脅威でないことに多くの人が注意をひきつけられたことに、なんの意味があったんでしょうか?

この書籍ではマスコミはかわいそうなくらいボロカスにこきおろされています…が

そこまでいかなくても…

マスコミは○○と騒いでいるけど、それって実際どうなのか?と…

ちょっとひねくれて情報を分析してみる…

そういう姿勢のほうがほんとに重要なことに気づける…

そんなふうに感じます…


『 独力で考えなかったら、投資では成功しない。それに、正しいとか間違っているとかいうことは、他人が賛成するかどうかとは関係ない。事実と根拠が正しければ正しい。結局それが肝心なんだ。 』
ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ会長兼CEO)





ナシーム・ニコラス・タレブ
学際的な立場から不確実性の問題に取り組む数理系トレーダーにして大学教授。その興味は哲学、数学、ファイナンス、そして社会科学に及ぶ。トレーダーとしては、ニューヨークとロンドンでの20年にわたるキャリアを持つ。大学教授としては、マサチューセッツ大学アマースト校で学長選任教授をつとめる。専門は不確実性科学。ウォートン・スクールMBA、パリ大学Ph.D。
本書は2001年10月に販売されるや、プロのトレーディングの成功は、ほとんどの場合、彼らのプロとしての腕前によるものではなく、まぐれにすぎないことを実証した書として、ウォール街を騒然とさせた。原書刊行から6年経過した現在も、アメリカではベストセラーを続ける。昨年4月に刊行された続編 THE BLACK SWAN(弊社刊行予定)も、発売と同時に大反響を巻き起こした。



(参考)
「なぜ選ぶたびに後悔するのか オプション過剰時代の賢い選択術」
バリー・シュワルツ (武田ランダムハウスジャパン)



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