ガキの頃

年寄りの叔父が テーブルの上に

その日一日飲む薬を仕分けして

並べてる様子を よく眺めていた。


並べられた薬が

とってもカラフルで

幼い私には

まるで飴玉みたいに見えたものだ。


今私は4カ所の病院に通院していて

一日7種類の薬に お世話になってる。


長く使い古した身体は

あちこちガタが来て

あちらを治療したら

今度は こちら という具合。


歳を取ると

病気が完全に治る事が少なくなって

どんどん悪い箇所が積み重なって行く。


それにつれて

毎日飲まなきゃならない薬も

どんどん増えて行く。


昔見た叔父の光景同様

私もカラフルな薬を何種類も

テーブルに並べる様になってしまった。


私にとって 老いるとは

幼い子には飴玉に見える様なカラフルな薬を

テーブルに並べる事なのだ。


晩年 叔父の薬の量は 半端じゃなくて

それだけで お腹がいっぱいになりそうな

くらいの量を毎日飲んでいた。


まだ私はそこ迄行ってないが

時間の問題かも知れない。