兵力不足を露呈したカタチの徴兵制実施を

発表したミャンマー軍事政権。


山間部の反政府少数民族武装組織の攻勢に

逃亡兵 投降兵の増加で 兵力不足に陥ったミャンマー軍。

幾つもの反政府少数民族武装組織が

山間部中心に

ミャンマー全土の3分の2近くを支配してるとの見方が出てる。


ミャンマー軍の士気が低くて

戦わずに駐屯地を捨てて逃げるケースが

多いんだそうだ。


圧倒的多数派ビルマ族からの差別に

抵抗する少数民族武装組織を

国境を接する中国が 長年 

国境地域の治安維持を目的に

支援してる。


だから彼らは中国製の武器で武装して

中国国境に接する地域を支配

中国との通関を管理したりしてる。


そうした中国から支援される組織以外にも

少数民族武装組織が いくつもあって

それぞれ特定の地域を支配していて

軍事政権の統治が及ぶのは

首都を中心とする平野部しかないという。


そこに 北西部地域を中心に支配する

民主派の武装組織もあって

軍事政権に抵抗してる。


更に スーチー氏も手を焼いた

東部のロヒンギャ問題もある。

ロヒンギャにも ミャンマー軍からの攻撃に

抵抗するゲリラ武装組織がある。


こんな風に ミャンマーの内戦は非常に複雑なのだ。


国際社会から孤立してるミャンマー軍事政権が

唯一頼りにして 相手をしてくれるのは

中国だけ


ASEANも 一向に民主化プロセスに移行しない軍事政権を非難していて

軍事政権幹部のASEAN会議出席を

拒否してる。


内戦で完全に経済が破壊されて

生活がままならないミャンマー国民の多くが

国を捨てて海外に出てるが


今回の徴兵制実施で また更に その数が

増えるだろう。

タイの大使館前には

ビザを求める長い行列が出来てるという。


ミャンマー軍は士気が落ちてるだけじゃなくて

もう統制も取れてないと

投降兵の話し。


そんな中で徴兵をやっても

戦力強化にならないだろう。


恐らく 中国が介入しない限り

内戦の停止は難しいと思われるが

民主派は軍事政権自体の存在を認めてないので

(かつて軍事政権に騙された経緯があって)

軍事政権と中国による和平交渉は

良くて 内戦停止止まりで 

完全な和平実現は困難だろう。


かつての共産党支配から

一度は民主化された政府を経験したミャンマーの

国民が

再び中国の息がかかった共産党寄りの政府を

認める訳がない。


民主化への困難なプロセス真っ只中のミャンマー

出来れば血を流さずに行きたかったが

シビリアンコントロールが効かない結果が

度重なる内戦を繰り返す事に。


第二次世界大戦後

残留日本兵の支援を得てフランス植民地から

独立を勝ち取ったミャンマーの人々


共産党独裁の恐怖政権が終わっても

何度も何度も軍事クーデターを繰り返し

民主的政権が根付かないまま

内戦を繰り返してる。


権力争いに民族問題もからみ

国連軍が介入して

ミャンマー国軍も含めて 皆んな武装解除して

国連軍管理のもとで

総選挙を実施して 民主的政府をつくり上げるしかないのでは。


山間部を支配する少数民族も

それぞれ既得権益を有していて

武装解除は容易ではないだろうが


それぞれの民族が

ミャンマー国民として 

今後も生きたいか?どうか?


民族対立を長くやってると

国家帰属意識が希薄になって来て


このままだと

ミャンマーは分裂してしまうだろう。


殺し合いは皆んなやめたいはずなのに

一部の権力者による暴走で

国民の大多数が 犠牲になる。


皆んなわかってる

こんな不条理は一刻も早く解消したいのに


非武装の大多数の一般国民は

内戦で生命の危険にさらされながら

いつまで 逃げ惑い続けるのか?


外部の力を借りたとしても

所詮 ミャンマー国民 一人ひとりが

自由と安心安全 民主主義を求めて

民族の違いを超えて

権力に立ち向かうしか

道はないのだ。


そんな事は とうに承知だろうが

皆んなバラバラ


そんな民衆の弱さに

軍幹部はつけ込む。


無傷では

自由を勝ち取れない

尊い血を流して勝ち得るからこそ

揺るぎなく 民主化を進める

民衆の力強さが生まれるのだと思う。