多民族国家ミャンマーでは
ビルマ族が最大勢力で 以前はその呼び名が
そのまま国名だった。
クーデターで政権奪取した軍事政権下
選挙で圧勝したスーチー氏率いる民主派政党を認めず 彼女も拘束投獄されたままだ。
非合法化された民主派政党員の一部は
武器を取って軍事政権と対立してるが
いかんせん 多勢に無勢
辺境のジャングルに逃げ込むも 政府軍の圧倒的軍事力の前に 追い込まれていた。
特に 政府軍機による空爆では 一般住民も
多数犠牲になっており 国連人権委員会は
度々警告を発してる。
100を超える民族が暮らすと言われる国で
長らく多数派のビルマ族から差別されて来た
少数民族は 自らを守る為 武装して
政府軍と対峙してたりして
以前から度々武力衝突を繰り返していた。
今回そうした少数民族で3っの部族の武装組織が
同時に政府軍を攻撃。
民主派武装勢力と共同戦線を構築し始めた。
一斉攻撃に 虚をつかれたのか
政府軍から かなりの投降兵が出てる様子。
今回の反政府武装組織の攻撃が
どこまで軍事政権を追い詰められるかは
全く不明だが
軍事政権側に 動揺を与えてる事は事実だ。
軍事クーデター以降 民主派勢力のデモに向けて
平気で発砲を繰り返したミャンマー軍事政権
多数の市民の犠牲者が出るに至って
民主派勢力は武装傾向を強めて行った。
民主的活動が ことごとく武力弾圧され
平和的民主化運動は実行困難になった上での
武装闘争への転換だった。
不服従非暴力での抵抗闘争は
一般住民に平気で銃を乱射する独裁軍事政権に対しては 全く無力で
犠牲者ばかりが増えるだけだった。
残された抵抗手段は 武装闘争しかなかった。
非暴力を口で言うのは易しいが
相手次第では まるで通用しない。
民主的政府が国軍幹部によるクーデターで政権を奪われたり
政権内の内部対立
宗教宗派対立
政治権力をめぐる軍事対立 内紛は様々な
理由で起こる。
そこでは いつも犠牲になるのは
関係のない一般住民で 武力衝突から逃げまどい
今 世界中でそうした国境を超えた難民が
増え続けてる。
自分が暮らす国で
政治権力をめぐって武力衝突の内紛が起きた時
直接関係の無い一般住民は
どうしたらいいのか?
逃げるしかないのか?
それとも 自身が支持する側に参加して
自身も銃を持って戦うのか?
しかし どちらの側も支持出来ない時は
どうする?
世界中で反政府民主化闘争が行われてるが
政府からの容赦ない弾圧の前で
非暴力を貫けず 武器を取っての反政府闘争が
繰り拡がれてる国や地域がいくつもある。
国連加盟国約200の内 曲がりなりにも
民主的政府なのは三分の一ぐらいしかない。
全てが民主化を求めての戦闘じゃないが
残りは 無政府状態だったり独裁国家だったりして
そのほとんどで
対立する組織が武力衝突を繰り返し
住民は自由も人権も あるいは安全すら無い暮らしを強いられてる。
その数は30近くの国と地域にのぼる。
理由は様々だが 冷戦終結後デタントになったら
武器が余り始め
安い中古の武器が大量に世界中に溢れた。
アフリカやアジア 南米などに流入したそうした安い武器は その国を一気に政情不安に変えた。
儲かったのは武器商人だけ。
一般住民は多数犠牲になり 逃げまどうしかなかった。
その武力対立に他国が関わると
更に戦闘が拡大 住民は命からがら国境を超えて難民となる。
今の所 ミャンマーでは
他国が直接関与してない。
国際社会からほとんど認められてない現軍事政権
ただし そんなミャンマーの軍事政権に
唯一と言っていいくらい仲がいい国がある。
それは国境を接する国の一つ 中国だ。
類は類を呼ぶ
ならず者国家同志仲がいい
スーチー氏が率いる民主派政党が政権を担ってた時は
アジアで最後のフロンティアと言われ
外国資本の進出と投資が進んだが
軍事クーデター後は 一気に外資が引き上げ
それに代わって進出し始めたのが中国。
ならず者国家は相手国がならず者国家になろうが
勿論 一切気にしない。
民主派武装勢力と少数民族武装勢力が
ミャンマー正規軍相手に どこまで進撃出来るかは やはり一般住民 一般国民の支持を
どれくらい得られるかにかかってる。
国民の大多数の支持 それも積極的支持が無ければ
民主化武装闘争は尻すぼみになる。
正規軍の圧倒的武力に抗するには
民主派は数で対抗するしかなく
その意味で 民主化を真に望むなら
難民として国外に避難したら 軍事政権の
思う壺だ。
自分の国を民主化したけば
やはり国民一人ひとりが 心を一つにして
自ら独裁者と戦うしかない。
あえて言うが
血を流す事を避けてばかりいては
残虐な軍事政権を倒す事は叶わないだろう。
命からがら避難する難民を
批判はしないが
逃げてばかりじゃ 何も解決にならない。
そればかりか
軍事政権を のさばらせ続けるのを許すだけだ。
結局 自分たちの国は
自分たちの努力で変えるしかないのだが
自由と民主主義を求めて
ミャンマーで命懸けで戦ってる人々がいる事を
わたしたちは忘れてはいけない。