貧困 差別 内戦 そして災害

トルコ南部は貧しい人々が多く暮らす地域だという。

またトルコ系から差別迫害を受けるクルド人が多く暮らす地域でもある。

それは隣接するシリア北西部も同様で

更にアサド政権に追われて逃げて来た難民が多数暮らす反政府勢力支配地域でもある。

そこに大地震という自然災害が襲った。

これほど厳しい状況があるだろうか?


トルコのエルドアン大統領は対立するクルド人に

支援の力が入らない。

シリアのアサド大統領も自身に楯突く難民に支援なんかする気もない。 それどころか 国連を始めとする国際救援すら受け入れに難色を示す。


 被災地は正に4重苦。

自然災害は人の事情なんかお構いなし どこで発生するかわからない。

おまけに気候変動が自然災害に拍車をかける。

厳しい寒さの中 救援のテントも不足

屋外で焚き火で暖を取る被災者たち。

救援物資が届かない地域では商店が荒らされ

治安が悪化 それでまた救援が遅れるという悪循環が起きつつある。


耐震基準に満たない多数の古い建物に 新しくても耐震基準に達してない不法建築が被害を拡大させた。

当然役人もからんで 逮捕者が出始めてるトルコ。

元々レンガを積み重ねた簡素な建物が多く

20年ほど前の大地震を契機に強化された耐震基準も そういう意味で今回役に立なかった。

死者数が3万人を超えて その倍になるだろうという予想すら出て未曾有の被害になりつつある。


プレートが地下で5枚も重なり合う地震多発地帯であるトルコは長い歴史を育む地域で 数多くの歴史的遺物の建築物が残ってる。

長く残るそうした遺物の先人たちの知恵が現代トルコに生かされてないのが とても残念だ。