フランスで、若者を中心に異例のヒットを記録したフランス映画『コンセント/同意』が、8月2日(金)より公開される。
同意について学ぶ前に必要な概念は「境界線=バウンダリー」だという。「自分の中の境界線、自分の体で大事なところ、体で触ってほしくないところや、人にやってほしくないところなど、自分の体と心にちゃんと聞いて、自分の境界線を知ること。これがすごく大事で、腕を触られるのはいいけれど、腕を掴まれるのは嫌だとか、人それぞれ境界線というものがあるんです」
アメリカにおける
「同意」の取り方の5つのルール「FRIES」について解説。
「FRIESのFはFreelyGiven=自由な意思。プレッシャーや強要もなく、力関係が働くことなく【はい】も【いいえ】も自由に言える環境にあること。
二つ目のRはReversible=柔軟な意思変更。
【はい】と言っても、いつでも【いいえ】に変えることができる。
三つ目IはInformed=情報。相手に正しい情報を与える。
四つ目は映画に関わる項目なので最後に説明します。
五つ目のSはSpecific=具体的に伝える。注意深く相手の態度を見て曖昧に同意している状態ではないかをきちんと見ること」
そして最後に、実は問題となっている四つ目のルールについて本作の事例を当てはめながら次のように語った。
「EはEnthusiastic=積極的で情熱的な同意。これをルールの中に入れるのか入れないのか議論となっています。積極的な同意って実はNOだったりすることがあります。この映画を見ていただいたらわかると思いますが、
彼が有名な作家で、権威を利用して、正しい判断能力がまだつかない少女ヴァネッサに、彼が甘い言葉で自分を信用させて、大人への憧れを強く抱かせた上で、YESと言わせている。彼女は確かにYESと言っているが、少女の積極性の中に彼がすごく巧みにまいた罠があって、そこに思春期ならではの年上の男性や有名人への憧れがあり、YESと言うけれども、同時に不安もあった。
⭐不安があるのに、彼が強引に『大丈夫』と言って、無理やりに同意を取られてしまう。これは同意ではありません」
有名な方がSNSなどで14歳、15歳ぐらいの子に
⭐『僕はYouTuberで有名人だよ』などとメッセージを送って、言葉巧みに彼女たちの興奮状態を巻き起こす。声をかけられた子は自分は特別なんだと思って言われるがままに行動してしまう。その『同意』は利用された上での同意。これは、最近日本でも耳にする機会がある『グルーミング』
です」
「主人公ヴァネッサは大人になってもずっと消えない傷を抱えている。そういう人を少しでも減らすためにも、子どもの頃から家族や、友人同士で『同意』についてお話をしてもらってて、大人と二人きりになるという空間を作らないようにするとか、私たち大人が少しずつ意識を変えていくことが大切。私は、知識が行動を変えていくと思っているので、この知識が皆さんの行動や周りの人とのコミュニケーションにつながればいいと思っています」と締めくくり、イベントは終了した。
「一見紳士的で無理強いはしていないが、やはり50歳男性が14歳少女を手懐け、性的搾取をしていたに過ぎない」
「ここまで衝撃作だとは思わなかった。この告発の勇気、少女の叫びを無視することはできない。1人でも多くの大人に観てほしいと思った」
「真綿で首を絞められるように取り込まれていく少女に、この問題の難しさを感じました」といった感想が寄せられた。
『コンセント/同意』は8月2日(金)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー
https://youtu.be/q-l1zRf5RCk?si=Dw_VYzSPsq1o1sqW
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