一部の統合失調症患者で認められるビタミンB6欠乏という病態を模したマウスモデルを作成し、脳内アドレナリン神経系の亢進及び、社会性行動障害、認知機能障害を確認しました。
ビタミンB6の脳内への補充により、ノルアドレナリンの代謝亢進が抑制され、行動異常が改善されました。
過剰なノルアドレナリン放出を抑制するために、α2Aアドレナリン受容体アゴニストのグアンファシンを投与すると、ノルアドレナリン代謝亢進が抑制され、行動障害が改善されました。
研究の背景
統合失調症は、幻覚・妄想等の陽性症状、無気力・感情の平板化等の陰性症状、認知機能の低下等を特徴とする精神疾患です。私たちはこれまで、統合失調症患者の末梢血中のビタミンB6(ピリドキサール)濃度が健常者と比較して有意に低いことを報告してきました1。統合失調症患者の35%以上は、ビタミンB6が基準値以下で(男性:6ng/ml未満、女性:4ng/ml未満)、このビタミンB6濃度はPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)の重症度スコアに反比例することを明らかにしてきています2。さらに、私たちは統合失調症患者の一部において、高用量のビタミンB6(ピリドキサミン)が、精神病症状、特にPANSSの陰性尺度及び総合精神病理評価尺度を緩和するのに有効であることを報告してきました。これら事実は、ビタミンB6の欠乏が統合失調症の症状発現に寄与している可能性を示すものです。近年のメタ解析では、統合失調症患者におけるビタミンB6の減少が、主要な精神疾患の末梢血バイオマーカーとして「最も説得力のあるエビデンス」であることが示されています3。一方で、このビタミンB6欠乏がどのような分子機序により統合失調症の症状を引き起こすのかについては、よく分かっていませんでした。(公益財団法人東京都医学総合研究所 統合失調症プロジェクト
新井誠プロジェクトリーダー抜粋おわり)
精神を安定させてリラックスを促すセロトニンや、意欲や学習能力を司るドーパミンなどの脳内の神経伝達物質が生成されなくなり、集中力や意欲の低下を招きます。疲れやすくなる、気づくとぼーっとしているなど、心の不調もタンパク質不足が原因となっている可能性があります。
アミノ酸スコアが100に近い食材の摂取は、健康的な体づくりに欠かせません。
魚介類では、アジ、アナゴ、アユ、イワシ、カツオ、カレイ、鰹節、金目鯛、ブリ、フグなどはアミノ酸スコアが100の食材です。
牛肉、豚肉・豚レバー、鶏肉・鶏レバーがアミノ酸スコア100の食材です。肉類では、脂肪の少ない赤身肉に良質なタンパク質が含まれます。
卵はアミノ酸スコアが100の食材です。
アミノ酸スコア大豆は100の食材です。
チーズ、ヨーグルト、牛乳など、乳製品はアミノ酸スコア100の良質なタンパク質です。(魚肉たんぱく研究所ホームページ抜粋)
脳・神経・脊髄の病気ランキング