今回は、ネトフリオリジナルのドキュメンタリー映画をご紹介しようと思う。

「とんでもカオス!排泄物まみれのクルーズ船」


ドン引きレベルのタイトルだが、まったくそのまんまの内容である……ガーン

あらすじ

2013年、4000人の乗客乗員を乗せた豪華客船でエンジン火災が発生。
停電で航行不能に陥った船内ではトイレも使えなくなる。
当時の乗客・乗員の証言や実際の船内の映像をもとに構成されたドキュメンタリーだ。

他所様の映画レビューでこの作品の存在を知り、恐る恐る視聴してみた。

⚠️ご注意⚠️

タイトルからお察しの通り、💩絡みの記事になると予想されるので、ムリ!と思われる方は速やかに閲覧をストップしてください。


スターネタバレスター


ありとあらゆる娯楽を詰め込んだ豪華客船、カーニバル・トライアンフ号。期待と興奮に胸躍らせる乗客たち。

何もかもが完璧だった。一生忘れられない素晴らしい船旅になるだろう、誰もがそう信じて疑わなかった。

汽笛を上げ、いざ出航。

乗客たちは解放感に満ちた時間を思い思いに満喫していた。彼らをサポートする乗員たちも、乗客と一体となりこの船旅を盛り上げていた。

3日目、予定通り目的地のコスメル島に到着。

南国の青い空、照りつける太陽。日常の喧騒を忘れ、乗客たちはボルテージMAX。
現地の食事に舌鼓を打ち、浴びるほど酒を飲む。まさにこの世の楽園だ。

夢のようなひと時に大満足の乗客たち。あとはまたお船に乗ってお家へ帰るだけ、と当たり前に考えていた。

4日間の行程のうち、3日を消費して残るは1日。楽しい思い出を胸に、乗客たちは眠りに就く。

しかし、ついにユートピアがディストピアに変わる瞬間が訪れた。


4日目の早朝、船内に突如不穏なアラームが鳴り響く。
エンジンルームで火災が発生したのだ。

「タイタニックのように、この船も沈むのか」乗客たちの顔から血の気が引いた。
火は早々に消し止められたものの、船内は一斉に停電、船も立ち往生してしまう。

エアコンも止まり、換気の悪い客室は蒸し風呂と化した。だが、最大の問題はトイレが使えなくなったことだ。

小はまだいいが(男は海に向け立ちション、女は浴室のシャワーで流す)困るのは大だった。

なので「う◯このほうは、これから配る赤い袋の中によろしく」というアナウンスが流れる。

各自、使用済みの袋は口を縛って廊下に出しとけ、と。


乗客たちは当然、拒絶感をあらわにする。

船全体に繋がる電力ケーブルが壊滅的なダメージを受けており、電気が戻る可能性はゼロ。
仕方ないので、アメリカよりはまだ近いメキシコに救助を要請することになった。

一方、乗客たちはサウナになった客室からマットレスを引っ張り出して廊下に寝たり、甲板で雑魚寝したりと、とても豪華客船とは思えない、どこかの難民キャンプのような様相を呈していた。


一夜明け、今度は食事の問題が起きる。冷蔵庫も冷凍庫も止まっているので、贅沢な食材は全て使いものにならなくなっていた。

少ない食べ物を独り占めしようとする者も現れ、人間の醜い本性がむき出しになる。

昼過ぎ、同じカーニバル社の客船が現れた。
これを自分たちを助けに来たものと思った乗客たちは歓声を上げる。

だが大勢の乗客を船から船へと移動させるのは危険極まりなく、現実的ではない。

食料を分けてはもらえたが、トライアンフ号を置き去りにして船は去って行った。

同じ会社の客船で、普通に船旅をエンジョイする人々を目にしたトライアンフ号の乗客たちは、余計に我が身のみじめさを募らせるだけに終わる。

それでも「あの船のwi−fiが使えるかも!」と、みな電波を求めてスマホをかざした。

ようやく家族と連絡を取ることに成功した乗客たちは、自分たちの窮状を訴える。

これにより船の劣悪な環境が外部に知れ渡り、CNNはこの悲惨なニュースの特集を組んだ。

一躍注目を集めたトライアンフ号だったが、彼らはもうすぐ陸へと曳航される予定だった。

しかし、とことん天から見放されたこの船は、メキシコとアメリカの真ん中辺りまで流されてしまっていた。


それならもういっそアメリカに帰ろうということになり、地獄の船旅は更なるカオスへと突き進み出した。
乗客たちの不満は爆発寸前。

大きい方を催した人々が、使えるトイレがないかと探し始めるが(赤い袋は絶対に使いたくないマンたち)そう簡単には見つからない。

「あんなに汚い光景は生まれて初めて見た」と語る、当時の乗員。

憂いに満ちた遠い眼差しが、どれほどの地獄を味わったかを物語っている。

彼が目撃したのは「う◯ことトイレットペーパーが層を成したラザニアみたい」な公共トイレだった。

う◯この上に紙、紙の上にう◯こ、う◯この上に紙、紙の上にう◯こ、う◯この上に紙、紙の上に………地獄の無限ループだ。


彼は未だにトラウマから抜け出せず、好物のラザニアを見る目も変わったと言う。

せめてもの鬱憤晴らしになればと船側はバーを無料開放するが、タダ酒に群がる乗客たちの乱痴気騒ぎが始まってしまった。

極限のストレス下で酒が入ればどうなるか、容易に想像できるだろう。

あっちではケンカ、こっちでは公衆の面前でエッチ、普段できないようなことを好き勝手にやりまくるタガの外れた乗客たち。
これはこれで楽しそうだ。

そこへお待ちかねのタグボートが到着した。
みな「やっと帰れる!」と大喜びするが、これは新たな地獄の幕開けに過ぎなかった。

タグボートに引っ張られた船は斜めに傾き、こぼれちゃいけないもの(トイレや浴室にたまっていた◯◯◯や、◯◯◯◯)が堰を切ったように船内へ溢れ出す。

カーペットは汚水を吸って激臭を放ち、壁や天井からも汚水が流れ落ちる阿鼻叫喚の地獄絵図。

もはや豪華客船の面影などどこにも無い。


希望の光だったタグボートは、乗客たちを一気に地獄の最下層まで突き落とした。

CNNは視聴率稼ぎのために事故の詳細を大々的に報じた。

ある専門家はカーニバル社の船が2年間で9回もの火災を起こしている事実に愕然とする。
まるでロシアンルーレットだ。

臭さと暑さと逃げ場の無い絶望の中で、乗客たちの疲労はピークに達していた。

これは神の与え給うた試練なのか……。

神様、お願いだからこのう◯こ船から早く救い出してください。


そんな彼らの願いが天に届いたかのように、マスコミのヘリが上空に現れた。それは陸地が間近であることを告げている。

夜になり、トライアンフ号は家族・マスコミ・関係者・その他(野次馬)の人々が見守る中、無事港に到着した。

「ひどい船旅だったけど、乗員の皆さんには感謝している」と乗客たちは語る。

乗員だって乗客と同じ人間だ。最悪の状況で最善を尽くした乗員たちの献身を、乗客たちも決して忘れない。

だが、従業員は素晴らしくてもカーニバル社はう◯こだった。


事故後、訴えられたカーニバル社はアホみたいな理屈をこねて責任逃れをかましてきた。

「チケットの契約は、安全な航行や航海に適した船・衛生的な生活環境を保証していない」だって。


訴訟は一応和解したそうだが、これで通用するのがすごいよな。

件のう◯こ船・トライアンフ号は1億5000万ドルをかけて清掃・修理・改装が行われ、現在は「サンライズ号」と名を変え元気に航行している。

カーニバル社は乗客に船代を全額返金(当たり前だ)お詫びとして現金500ドルと無料招待券をプレゼントしたそうだ。

無料招待券なんか要らねーわ。