長男の単車とクソ
「終電に乗り遅れた『彼女』と友人宅へ泊まりたい」と電話をかけてきた高2の長男。
「タクシー代をうちに取りに来て家に帰せ」というも、「今回ばっかりは許してください」からの泥沼・・・の件の続きです。
顛末はこちら:
http://ameblo.jp/444/entry-11167368089.html
上記エントリーの続きは、非公開記事でしかかけず、すみませんでした。気にかけていただいた方々にお詫びするとともに、その後の経緯をざっと報告させていただきます。
【これまでの経緯】
長男は翌金曜日、僕と細君が仕事に出かけたあとでこっそり自宅に戻り、遅刻して高校へ登校。その夜に家に帰ってきて僕にジャンピング土下座。「明日にしろ」ということで、その晩は寝かす。
土曜日の夜8時に長男がバイトから帰宅。彼女の自宅に電話をかけるからと、名前や携帯番号などを書かせるが、彼女の親に電話をかけることを「僕の面目が立たない」と強硬に拒否。
その後、嘘をついて再び逃亡。メールのやり取りの中で、相手の親に「自分の子が一緒のときに、終電に間に合わせて帰してあげられなかったこと、そのせいで長男の友人宅に泊めさせてしまったことをお詫び」するんだという旨を伝えると、『相手の親に「どういう教育をしているんだ」と怒るのかと思っていました』と返事が来る。
彼女に「親は(彼女との外泊)OK」とかっこつけるために彼女に嘘をついていた。今から正直に言いますと。だがその晩は彼女に会えなかったとかで不帰宅。
日曜日の夜の僕が寝た後に帰ってきて、月曜日は普通に登校。
月曜日の夜には、「携帯、単車は没収」、「布団以外のものは全部捨てる」という事件当日の宣告に基づいて、長男に発生したペナルティーを実行。服とマンガ、スポーツの道具については、見逃してやった。また、門限を設けた。これは本人の申し出で23時とした。
まず、携帯の解約。携帯からSIMカードを出させ、裁断した。
次に原付の廃棄。メットインの中のものを取り出しに行かせたところ、長男は外で泣きながら吐いていたという。細君が「今夜はもう寝かせてあげて」と訴えるので認める。
▼本題ここから ※文章、未整理です。
本来であれば即時売却止む無きGSX400インパルスですが、これは維持してやろうかなと考えました。
任意保険料の6万円ほか、劣化したタイヤの交換、リアブレーキペダルの交換、計器類の修理代、ガソリン代を親持ちとし、その代わり、高校卒業までは車両を親管理とするという条件で。つまり、名義は本人だが、乗りたいときに申し出をして許可を受けるということだ。
そして、最後のバイト中の交通事故の左肩の件で、「医者から手術をすれば元通りになると言われたが、ギブス3カ月、運動ができるまでさらに3カ月かかるというので、バイクに乗りたいからお父ちゃんに黙っていた」といったことについて、手術を受けさせるべく保険会社に相談をした。
またそれとは並行して、近所のレッドバロンに買い取り価格の査定をしてもらった。年末に20万で購入したばかりだが、6万円しかつかなかった。まあそんなもんだろう。
昨夜、以上の3点について長男と話しをした。
しかし、長男はジムを辞めるという。一度はKID選手や先輩達から、「故障なんて誰だってもっている」、「パワーだけじゃなく、これからはテクニックを重点的に指導する」、「俺たちはファミリーだ」といった感じで引きとめられて迷ったようだが、昨夜またジムへ行き、辞意を伝えてきたとのことだった。
手術を受ければまた夢に向かって、仲間と一緒に頑張れるということを伝えた。
比較するわけじゃないが、お姉ちゃんは国立大学卒業後に、そこそこの仕事に就ける可能性があるということ、末っ子は防衛大を目指し、エリート自衛官を目標として努力していること。その一方、倭は中学生の頃に<プロ格闘家になる>という目標を掲げて、得意分野で食っていくために努力をしてきたはず。
しかし彼の意識レベルはこの歳になっても低いままだ。早朝の走り込みどころか毎日の柔軟もしない。深夜まで遊びまわり、あげくに交通事故で故障だ。ここで考えを改め、夢を先へつないでいかなければ、高卒のタダの底辺スタートになる。
長男の技量、生活習慣から想像する限り、姉や弟と収入格差が生まれるし、二人に援助をしてもらうことになるかもしれないよ、とも告げた。すると、それは自分のプライドが許さない、それならホームレスになるよと言う・・・。『こんな大胆な俺、潔い、カッコいい!』とでも? いつまで続くこの中2病。情けない。
彼が中2の頃の見当では、長男はいまごろもう、プロとしてカクテルライトを浴びていたはずなんだが。
このインパルス作戦。「布団以外全て処分」されてしかるべき長男にとって、まさに天からの恵み、最良の案だと僕は思っていたのだが、長男くんはそれでもなお、「手術はバイクに乗れなくなるから」イヤだということだった。
また、維持をしてやるという提案に対しても、「自分は(暴走族風)カスタムをしたいから、自分の自由にできないなら、いらない」ということだ。
残念だけど、こいつを放棄したお前にバイクなんかない。いったいこいつの頭の中にはどんな花畑が広がっているんだろう。
自由に乗りたきゃ、卒業後に『お父ちゃんのうち』から出て行ってからにしろと告げた。
「じゃあもうこの話しはいいや。寝な。」
長男は歯を磨くために洗面所に向かいつつ、例の今年初め、任意保険の必要性を知りながら使い込んだ件についてこう言った。
「お金がないことがバレるとバイクに乗れなくなると思って、お金があるふりをしてお父ちゃんに嘘をついていました」と。保険の必要性は身にしみて理解しているというし、無保険で万一事故を起こした時には、家族が路頭に迷うということも理解している。それなのに、よくまあ乗れるもんだな。
さらに続いて、「その時、お父ちゃんが保険代を貸してくれてもよかったと思うんですが・・・」と、見当違いのことを言い、さすがに目が点になった。
車両代、諸経費、保険代込みでお金が貯まったら買ってもいいよ! ってことで許可をしたんだ。それが貯まったっていうから、俺は予算に合う車両を探し出してやったし、長男とタンデムしてインパルスを契約しに行った。なのに使い込むとか、それでお金があるふりをして嘘をついて乗っていたとか、どうなってんだ。
僕は「最低だな」と、思わず本音を言ってしまった。
心底、クソだと思った。長男も、この父親も。
洗面所から、長男の泣く声がしていたが、あれは自分のバカさを反省して泣いてるんではなく、「なんで僕はバイクに乗れないんだろう。なんでお父ちゃんは許してくれないんだろう」という嘆きに違いない。
俺は小学生の頃、ちびっこバイク教室に行ってみたかったから連れていったし、バイクの免許も自分が取りたかったから許可した。そして自分でアルバイトをしたお金で自分の好きなバイクを買いたかったから、長男に認めてやった。
いま僕は、自分が子どもの頃に思い描いていた、自分でなりたいとおもう親になろうと努力している。この親のありかたが長男にとって≪チガウ≫と言うなら、自分が親の番になったときに、自分の子どもに対して、思うようにすればいい。
子どもは楽な方、楽な方へと行ってしまう。だから指導が必要なんだ、と僕の父は言う。僕は当時、子どもながらに、必ずしもそんなことはないと思っていたし、何度も父に自分の考えを聞いてもらおうとした。その都度玉砕を繰り返してきたわけだけど。
実際、精神論がこの<アダルトチルドレン向けの“遊び”を主体とするビジネスが全盛の>21世紀において、必ずしも拠り所にはなっていない。成績なんかそこそこでいいから、プラモを作りたかったし、まんがを描いていたかった。もし好きな創作活動に打ち込み、身内にも応援してもらい、技量を身につけ、人脈を拡げていたなら、現在の仕事でどれだけの武器になっていたことか、なんてね。あ、これは恨み節ではないですよ。強行しなかったのは自分の責任。単にいまの自分の状況を客観的に見て、感じることです。
将来のために、何が正しい選択かなんて、わからない。
ただ、自分自身の夢にさえ不誠実な、ただのクレクレタコラはどうなの? ってのは、普遍的なものだと思うんだけど、この考えも古くなるんかな。
まあとにかくまだ考え中です。
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