いいヤツが嫌い | スライダーズおやじ

いいヤツが嫌い

いいヤツ、いいひと。
初めてこのテの言葉を聞いたのは、確か高校2年のころでした。
同級生の会話のなかで、「○○はいいやつだ」という言葉が出たのです。
会話の相手も「ああ、○○はいいやつだよな」
僕は衝撃でした。
この世の中に『いいヤツ』というジャンルの人間がいたなんて。

野球のうまいヤツ、話すと面白いヤツ、いつも暗いヤツ、怒りっぽいヤツ。
いろんな『ヤツ』がいます。
でも『いいヤツ』ってなんだ?

『自分にとって都合のいいヤツ』というのならわからんでもない。
気前のいいヤツとか、気の利くヤツとか、やさしくしてくれるヤツ、いつも遊んでくれるヤツだとか。
あと、尊敬できるヤツってのもアリだな。

でも『おまえはいいヤツだ』とか言われて、ヘラヘラとアタマを掻いているアレがいいヤツなのか?
気持ち悪りぃ。

お前らにとって『いいヤツ』でも、俺にとっては『どうでもイイヤツ』だ。

逆に『イヤなヤツ』ならよくわかる。
「あなたって本当にイヤなヤツね♪」
そんなことを言われている自分を想像すると、なぜかにやけてくる。

本当にイヤなヤツを、わざわざ「イヤなヤツ」と言う必要はないわけで、
いいヤツなら、いいヤツと呼んでみる必要も無いように思うのだ。

なにかこの言葉の裏には、打算的な側面があるような気がしてならない。

「あいつをイイヤツと呼ぶ自分は、やっぱイイヤツだよな」

と悦に入っているのか?
あー、気持ち悪い。