子役オーディション | スライダーズおやじ

子役オーディション

今日は隣室で某社CMの子役オーディション。
年長さんくらいの男女ちびっ子たちが、お母さんに付き添われて待機している。

ちびっ子もお母さん連中も多少小奇麗だけど、普通の人だ。
テレビ画面で見ると、特別な人に見えたりもするけど、そんなことはない。

ただ、礼儀はよく仕込んであって、
廊下やエレベーターで顔を合わせると、「オハヨウゴザイマス!」と元気がいい。


さっきトイレの個室に入っていたら、トイレの入り口まで、お母さんに子どもが連れられてきた気配があった。

「おかーさん、僕ひとりで行くの?」
「おかあさんは入れんでしょうがぁ!」

なんか生活感あふれる、ごく普通の茶の間の会話(笑)
こういうとき僕は、気が付かなかったフリをして通り過ぎてあげる。

たまたま目が合ったりして、こっちから微笑んだりすると、共犯チックでドキドキする。
みんなが平等に、良い心持ちで、オーディションを受けてもらえるよう、社員側はちょっとした心遣いが大切だ。


よくオーディションシートの写真に、修正を加えているなんて話しがある。
それはどうかと思うけど、人前に出るときに態度を修正できるということは、ひとつの優れた能力。

CMのモデルさんは、個人を超えた人物を演じなければならない。
普段はグータラでも、乱暴者でも、そんなものは関係がない。

ディレクターの求める素材に化けきる能力こそ大事なのだから。


僕とすれ違ったたくさんの子どもたちの中から、明日のスターが生まれますように。