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電源





論理的に考えれば電源からは50Hz以外のあらゆる周波数を除去すべきと言うことになるのだが、実際そうでも無いのがオーディオの難しいところ。


いくら性能が高いノイズフィルターも聴感上音が良くなるかは使って見なければ分からない。


電源ケーブルは現在全てカナレのシールドのものなのだが(※執筆当時)、上からパルシャットを巻いてみる。


「貼る」でなく「巻く」と書いたのは電源周りでは効果を期待していなかったのと、近々ケーブルの交換を考えているから。巻いた状態でマスキングテープで固定した。


このケーブル、極太だが業務用の為メートルあたり2000円もしない。それでも切り売り5000円クラス、完成品3万クラスの電源ケーブルに敵がおらず、手持ちの電源ケーブルは全て売ってしまった。


太くて取り回しは悪いが2重シールドが優秀で、PCやモニターなどノイズを撒き散らす機器に使っても効果が大きい。


ただ、スピーカーケーブル交換でシルクの威力を体験してしまった為、介在にシルクを使用した電源ケーブルを物色中なのである。



そんなわけで貼らずに巻くだけで音を聴いてみる。



第一印象は「ややクリアかな?」と言った程度。変化は小さい。


こんなもんかと納得し、聞き慣れた音楽を楽しんでいると何を聴いてもやはり以前と音が違う。805の下限付近の50Hz付近が明らかに元気で、パワー計を見るといつもより大きな音量で再生していた。


それでもうるささは感じず音はむしろクリア、そして色彩が鮮やかで、音楽信号を扱うラインケーブルに巻いた時とは真逆の変化である。


覇気が無くなるどころかケーブルを一回り太くしたような低音の出方で、太いケーブルにありがちな、よく言えばおおらか、悪く言うと輪郭の甘さと言う感じが無い。


DACと2台のパワーアンプには聴感上悪影響が無かった3つのフィルターを併用しているが、まだノイズ対策アクセサリーでこれはど変化するとは驚きである。


あえて言えば曲によって低音にパンチがありすぎると感じる事もあるが、基本的にデメリットはなく良い変化ばかりである。


特筆すべきは音色が濃く鮮やかになった事で、その上で全体的にクリアさも増しているのが凄い。


カナレの電源ケーブルはアルミラップと銅メッシュの二重シールド構造なのだが、この上からパルシャットを巻いてこれほど音を変えてしまうあたり、やはり規格外のノイズ吸収力である。


因みに現在電源のノイズを測定する"オモチャ"を購入し、入国するのを待っている状態なので、このパルシャットを巻いたケーブルのノイズ値に変化があるのか、測定するのが楽しみである。





まとめ



小生の場合スピーカーケーブル、XLRケーブル、アッテネーター、DAC基盤のアナログ信号が流れる箇所はことごとく生気が無くなり、逆にデジタル系のクロックやLANは効果あり、電源ケーブルも効果ありと言う結果となった。


良くも悪くも音を変えてしまうアイテムである。慎重に使用し、高額でも音が悪くなった時には思い切って丸めて捨てるのも勇気である。