坂本冬美、伍代夏子、藤あや子、香西かおり。
都はるみ、、八代亜紀、石川さゆり、小林幸子に次ぐ紅白常連4強だ。
しかし、それぞれの個性の差別化は、紅白という限定的な枠の中では難しくなっていた。
坂本は演歌に拘らず楽曲の幅が広く、それなりの成果を上げてきた実績が制作側の意に沿った。
伍代、藤、香西は和服演歌路線を踏襲し続けた結果、音楽性向に際立った個性を放つ事ができず、同じような路線で若手の市川由紀乃の台頭もあり、門戸の狭い紅白の選考で不利になった。
その中で、香西はレコード大賞作詞賞を受賞した楽曲を歌唱する幸運に恵まれ、伍代と藤に差をつけて復活出場を果たした。
香西の事務所と提携関係にあるとされる徳永英明の紅白落選も、香西側に有利に働いたかもしれない。
島津亜矢は、ヒットはなく話題性もないが14年ぶりの復活後の連続出場が叶った。
これは、伍代と藤の枠に世代交代枠として、市川由紀乃と共に選出されたからである。
天童よしみは、特に地域色の強い関西枠として確固たる地位を得ている。
同じ関西でも、川中美幸や中村美律子は楽曲の中で関西色を強く出していないのに対して、天童は自身の楽曲のみならず、やしきたかじん、BORO、河島英五ら関西で支持の高い男性の楽曲をも歌い上げ、更に美空ひばりも歌いこなすことで、憎めない見た目と相俟って、制作側からは使い勝手の良い歌手なので出場回数を重ねている。
この利便性がなければ、石川さゆりの『津軽海峡・冬景色』と『天城超え』のように、天童も『道頓堀人情』と『珍島物語』の繰り返し出場になっていたであろう。
さて、その石川さゆりであるが、和田アキ子の落選により紅組の最多出場者となった。
奇しくも、かつての所属事務所の先輩・和田と同じ39回目の出場を決めて肩を並べた。
今年もあの二曲の繰り返しとなるのか?
来年は40回目の出場を決めて和田アキ子を超え、紅組最多出場歌手の単独首位になれるのか?
実は石川は制作側が密かに企む紅白話題作り枠での出場だったのだ。