私は、中学生の時のいじめが遠因で現在精神障害者として社会復帰を目指しています。
私には、いじめのつらさがよく理解できます。
いじめを受けている彼らの苦しみが、どれほど、大変であるかが手に取るようにわかるのです。
一般的には、いじめ問題を誤解されている方が多く、そんなに大変なものなの?と考えている方がいらっしゃることもよく理解しています。
私は、いじめに苦しむ彼らを励まし、気持ちをわかってあげられることができます。
しかし、私がわかるのは、いじめがどれほど残酷であるかという「事実」だけです。
いかにして生きていくかという全生徒の課題を解決してあげることは困難です。
例えば、私は男性ですので女性特有のデリケートな悩みまでは、正確に理解できません。
聡明な女性であるあなたでなくては、彼女たちの支えにはなり得ないのです。
いじめをされている彼らは決して弱くありません。反対に、強くて優しくて聡明な人ばかりです。
あなたが彼らとドラマのように入れ替わることがあれば、一週間もたないでしょう。
私は、長い闘病生活により、仕事を忍耐強く続ける大変さというものが、実感として、今は理解できないでしょう。
彼らは、ほとんどが将来は仕事をします。
そんな彼らに仕事の大変さや、充実感や達成感、喜びやつらさを語り尽くすことは、今の私には不適格でしょう。
日々懸命に働いているあなたでないと彼らに働く喜びは伝えられない。
私は独身ですから、結婚について未来を想像している彼らを励まそうとしても、絵空事で終わってしまいます。
結婚生活を維持し続けて、大変だけど「今私はしあわせですね」と笑顔で言えるあなたからの励ましがあれば、彼らはどんなにか希望を持てることでしょう。
私は、たくさん、いじめについて、「なぜ、いじめがいけないのか」を、ブログで、掲示板で書いています。
彼らの苦しみを正確に理解して必死で応援を私は続けますから、あなたには、生きのびた彼らを大変な荒波を乗り越えた尊敬すべき人格として接し、彼らの支えとなってほしいのです。
彼らは非常に優秀ですよ。いじめという人権侵害に若くして遭遇していますから、人権意識は非常に高い。これからの日本に必要とされている大切な感覚を持ち合わせています。
彼らは忍耐強いですから、重い責任も引き受け、簡単に逃げてしまうような脆弱な若者とはひと味違いますよ。将来、彼らこそが、仕事上の組織で中核となるでしょう。
そんな経験豊かな、あなたに、今のうちから、いじめの残酷さをできるだけ正確に理解してほしい。彼らが、面接に来る近い将来までに。
私の役割の一つは、「いじめはいじめた側が千パーセント悪い」「いじめは絶対にしてはいけないこと」「君は強くて優しい」と言い切ることが出来なかった人が、極めて少なかった真実を多くの人に知ってもらうことです。
私も四年前から必死にたくさんの声をあげ続けました。私たち、いじめ問題に真剣に取り組むあらゆる人々が、声をあげ続けることにより年々、いじめは絶対にしてはいけないことなんだと理解する方が増えてきました。
いじめが大変なのはなんとなく知ってるけど、どうすればいいのかわからないという人がほとんどでした。
テレビも変わりました。いじめとバラエティー番組の影響について「そうだったか!」と理解された方が増えました。
いじめはうちの学校にはないと、隠す校長の哀れな姿もよくテレビで見かけると思います。
私は、あなたに比べれば若輩者の33歳です。私よりも二倍以上も人生の荒波を越えてきたあなたに私は遠くおよびません。あなたの近くに住む青い顔をした少年少女を、親戚の子供たちやお孫さんたちを、暗澹たる気持ちで心配されていると思います。
あなたの豊かな知恵と、年輪を重ねないと出ない温かい包容力と笑顔は、彼らの張りつめた心を一瞬でやわらげることでしょう。巨大な夕日のように金色に輝くあなたの人格は、隠そうにも隠せるものではありません。
私は音楽家を尊敬します。人の胸を打つ音楽を奏でるあなたの真似を私にはできません。どうかいじめに苦しむ彼らに魂の音楽を聴かせてください。お願いします。
去年11月には、沖縄はうるま市で四時間にもおよぶいじめによるリンチで尊い10代の少年が殺されてしまいました。
私はこの事件を契機に実際にいじめに苦しむ10代の彼らと交流を始めました。事件の二日後です。
彼らと交流し、さらに残酷な具体的事実に直面しながらも、彼らの清々しい強さには、毎回感激されっぱなしです。
どうかあなたからも、近くにいる彼らに希望を語ってください。
本当は、彼らの力になりたいと思っておられることもよく理解しています。
私は引き続き、必死に彼らの声を集め、解決に向けて全力でとり組みます。
寂しいハゲ山にどうか、励ましの苗木を植樹してください。
あなたの勇気ある一本の植樹が彼らの人生に豊富な養分を与えます。
お願いします。引き続き、彼らへどう希望を贈るかを考え続けてください。
お互い立場は違えども――思想、年齢、性別など――藍染めを繰り返し繰り返し、鮮やかな希望の青へと共々に染め抜いていきましょう。