親ごさんから「子どもの様子がおかしいのですが、いくら聞いても、話してくれないんです」という相談があったのですが……。
それは心配でしょうね。ただ、苦しくて、苦しくて、言いたくても言葉にならない。どう話していいか、わからない━━そういう気持ちも、わかってあげてほしいと思います。
それに、子どもにだって、プライドがあります。自分がいじめられている状況は話したくないという気持ちもあるでしょう。
いじめによって、その子のプライドは、ますます繊細になり、ピリピリしています。そこにもっていって、「いじめられているんじゃないの?」「話して、話して」と"追及" されることは苦痛です。
だから、ともかく、「自分は、何があっても、あなたが何をしても、あなたの味方だ」というメッセージを、繰り返し、繰り返し、心に染み入らせることではないでしょうか。
そうやって、「そばにいてあげる」だけでいい場合がある。その「愛情」さえ伝われば、それが「支え」になるんです。
もちろん、なかには、「自分の子なんだから、遠慮していられない」と思う方もいらっしゃると思います。それはそれで正しいです。子どもが逃げても、追いかけて、抱きしめて、追いすがってでも、「私はあなたの力になる」ことを、とことん伝えていく。とことんつきあって、話を聞きだしていく。
どちらを選ぶかは、まさに家庭しだいです。ふだんのコミュニケーションの密度にも左右されます。いつもは対話らしい対話もないのに、問題が起こって、いきなり「何でも話して」と言っても、そう簡単ではないでしょう。
ある中等部員は、いじめにあっていることを親に話したとき、「一生懸命に話そうとするんですが、自分で何をいっているのか、わからなくなっちゃうんです。口からいろんな言葉が出るけれども、つじつまがあわなくなるんです」と言っていました。それほど子どもたちの心は激しく揺れているんです。
だからこそ、何時間でも、何日でも、根気よく、「聞き役」に徹していただきたいんです。子どもたちは、話すことで、自分の頭を整理して、自分で解決方法を見つけていくこともあるんです。
だから、まずは、「アドバイスする」ことよりも、「心をからっぽにして、ただただ聞く」くらいの気持ちでいいのではないかと私は思います。
また、たった一言、ぽつりと言った言葉でも、大事にしてください。その「ひと言」に「せいいっぱいの思い」がこめられているんです。
ともかく、どんな場合でも、親ごさんこそ、子どもたちにとって、最大の味方です。最大の「安心感」を与えてあげてほしいと思います。