―8種の旋律―Ⅱ―本を開く。 | 晴れわたる青空の下で

晴れわたる青空の下で

人類の歴史は、「侮辱された人間が勝利する日」を、しんぼう強く待っている。インドの詩人タゴール

孤独への道



この世がおまえから離れ落ちる。

おまえがかつて愛した

すべての喜びの熱が次第に失せ、

その灰の中から、やみが脅かす。




おまえの中へ

おまえは沈む、心すすまぬが、

一きわ強い手に押されて、

凍えながらおまえは、死んだ世界の中に立つ。

おまえの後ろから泣きながら

失われたふるさとの余韻が吹いて来る、

子供らの声とやさしい愛の調べが。




孤独への道は困難だ、

おまえが知っているより困難だ。

夢の泉もかれている。

だが、信ぜよ!

おまえの道の果てに、ふるさとはあるだろう、

そしてまた死と更生と

墓と久遠の母とが。



Weg in die Einsamkeit



ヘッセ詩集
高橋健二訳
新潮文庫