孤独への道
この世がおまえから離れ落ちる。
おまえがかつて愛した
すべての喜びの熱が次第に失せ、
その灰の中から、やみが脅かす。
おまえの中へ
おまえは沈む、心すすまぬが、
一きわ強い手に押されて、
凍えながらおまえは、死んだ世界の中に立つ。
おまえの後ろから泣きながら
失われたふるさとの余韻が吹いて来る、
子供らの声とやさしい愛の調べが。
孤独への道は困難だ、
おまえが知っているより困難だ。
夢の泉もかれている。
だが、信ぜよ!
おまえの道の果てに、ふるさとはあるだろう、
そしてまた死と更生と
墓と久遠の母とが。
Weg in die Einsamkeit
ヘッセ詩集
高橋健二訳
新潮文庫