9年前から いつも思うことがある
母の一つの癖についてだ
いつもいらいらしていて
辛辣な母だが、しばしば堅く閉ざした少女のような強張った表情をする
時がある
その表情を思いだそうとしたとき私は
胸が苦しくなり
目頭が熱くなり
本当に切ない気持ちになる
彼女の父にも母にもにも夫にも同僚にも友人にも
理解されなかった
純粋な信念の美しい塊
そのあまりにも美しい
凝縮した魂のかたまりの
主成分は涙であろうか
母が逃げずに守り続けた固く美しい心情を思い
有能と危険のはざまを行き来しているうちに
もう夜が明けそうだ