【togetter】
前回の続きです。前編から記事を読んでください。
ここでは出演者様の印象、考察を綴ります。
多分文字数的にも多くなると思いますのでよろしくお願いします。
◆パウロ
史上最大の使徒と呼ばれた方です。
最初は「あの方」に対して批判的で、弟子達に対しても
殴る、蹴るといった暴力的な面もありました。
善悪の絶対的支配を持っていたパウロに弟子達は
それでも力では到底及ばないのでひれ伏すしかありませんでした。
サロメにより「秘薬」を飲まされた日を境に改心(?)して
「あの方」を独占欲にも似た感情で崇拝するようになります。
「あの方」が復活したとされたヤコブに自分を一番弟子にしてくれと
頼んだり、挙句には貿易商夫婦に全財産を出すように強要したり。
思い込みが激しいところはヤコブにも似たものを感じますが
パウロに関しては自身の正しさに妄信的で、司祭長ですら彼の
熱意に鼓膜が破けそうになる威圧に根負けしてしまうほどです。
ヤコブが殺された後の彼の動向は分かりませんが、現代では
大伝道旅行へ向かったとあります。
ペトロと同じく、彼もまた人々へ伝え歩く事を生涯としたのでしょうか。
どうか彼の心が救われていますように。
◆印象
パウロ役の釣舟大夢さんは「ELPISpage」という舞台で
拝見させて頂いた事がありまして、その時の役はある事件を追って
自分の存在を消して調査する主人公の大人なお兄さんでしたが
今回はギャグっぽさと真面目さ半々で、かなり暴君の役でした。
多分二番目ぐらいに汗を掻いてたんじゃないかと思う程
照明によって汗の光を感じた演者様でもあります。
teamオムレットという劇団の副座長様だそうで、他にもさまざまな
舞台への客演経験も豊富な方です。
迫力の強弱のある演技が印象的で、とても楽しかったです。
御出演お疲れ様でした!
◆カヤパ(大祭司)
「あの方」の裁判が行われた際に裁判での議長を務めた人です。
ただ舞台面の中ではパウロから叱り付けられたり怒鳴られたり
祭司の威厳が足りないと怒られてしまいがちのお茶目な同性愛者様
の印象が強い方でした。
(簡単に言えばオカマさんです)
「あの方」が復活したという噂を聞きつけてその真相を知るべく
弟子たちの元へとうまい棒(何故かw)を持って押しかけたり、シモンへ
「顎のチャーミングな人は好きかしら?」(演者様がとてもチャーミングな
顎を持ってた事によるアドリブ場面)と問いかけてみたり。
(他の演者様が笑いを堪える場面でもあります…w)
「復活」したヤコブに会いたいがために何度も弟子たちの元へ足を
運ぶのですが、結局最後までその願いが叶うことはありませんでした。
(ただヤコブが「あの方」として表舞台に出てきた時に遠くの方から
見ていたのではないかと推測)
デボラ達の策によりローマ軍を追い払う姿を見てますます酔心しますが
ついに追い払えきれなくなった終盤に命の危険が迫った時、「復活」の
恩恵を与えてくださいと懇願します。
しかし祈るしかない周囲の中で、マタイが告げた「生贄を」という言葉
を真に受け、刃をヤコブへ振り下ろす一人となってしまいました。
「あの方」を二度殺す事になったカヤパの動向は分かりません。
信仰からではなく、政治的打算によってヤコブに心酔していた彼は
きっと誰よりも寂しさを抱えて生きるのかもしれません。
◆印象
カヤパ役の天野きょうじさんはお名前だけは以前から知ってまして
CMやドラマなどにも出演されてたり姿は拝見してましたが今回
ようやく初めて生の演技を見ました。
185cmという高身長に加えてチャーミングな顎が特徴的な俳優さん
で、気さくに接してくださりありがとうございました。
「裏長屋マンションズ」という劇団に所属してらっしゃいまして
さまざまな舞台への客演経験も豊富な方です。
シモン役の黒田さんに凄いツッコミを入れてましたがとても
信頼してるように見えまして安心して笑っておりましたw
御出演お疲れ様でした!
◆貿易商夫婦
出演はそれほど多くはなかったんですが、パウロがヤコブに
気に入られようと信者として迎え入れた貿易商の夫婦です。
持ってきた金品をヤコブが「全財産?」と問われ、口を濁す
貿易商の男にデボラが「これっぽっちじゃないだろう」と
心を見透かされ、全財産ではないと告白します。
「もしも恩恵がもらえなかった時の為の蓄えは、ゆうちょに」
(舞台上での時間軸は僅かに現代と混合してる部分があります)
嘘を吐いたと激怒したパウロに追い返されるように郵便局へと
向かったまま帰ってこなかったので、その後の動向は分かりません。
ただそのパウロの怒りに不信感を抱いてしまったような
描写があったので、多分それっきりだったんじゃないかと。
◆印象
奥様役の相沢いくさんは初めてお目に掛かりました。
(旦那様役の方のお名前が分からずすみません)
劇団IIKIというミュージカル風コメディ風劇団からの客演として
出演されていたみたいで、まるで昔の時代劇でお代官様と
平民のやり取りを思わせるかのようで面白かったですw
あの場面はパウロの信仰心がどれほどの度合いを知るための
ものであり、「あの方」に対する民衆の気持ちを知る大切な
場面でした、ありがとうございます。
御出演お疲れ様でした!
続編へ続きます。次で最後となります。